Jumat, 13 April 2012

ギルティクラウン

概要
企画経緯

本作誕生の経緯は、大山良プロデューサー(アニプレックス)が、新作オリジナルアニメを構想中に、中武哲也プロデューサー(プロダクションI.G 6課)と会った際、プロダクションI.Gサイドでも既存の自社イメージを超えるようなオリジナルアニメを構想している事を知り、「それならば」と共同で企画を立ち上げた事に端を発する。
この時点で「近未来が舞台」「遺伝子を題材にした超能力物」「男の子二人を主軸に据えた大河ドラマ」にしたいという案が出された。企画立案時よりノイタミナ枠での放送を想定しており、更に「ノイタミナにロボット物の要素を」という新機軸を盛り込む事になった。
オリジナルの大作を作る際には企画に“エッジ”を立てる必要があるとの考えから、人気イラストレーターredjuiceがキャラクター原案に抜擢された。“現代性”や“新しさ”を備えた彼の絵ならば“この作品の世界観にフィットする”という事も大きな要因であった

設定

企画立案時、最初期の案が「友達を武器に使う」「友達をしもべとして使う」というもので、その“背徳感”がポイントとなっている。後にこのアイデアは物語のキーである「ヴォイド」へと発展するが、吉野弘幸(シリーズ構成)は「そこに辿り着くまでに半年はかかった」と述べている。
本作品の主人公である桜満集は「人を〈集〉めて統治していく者」として描き、葬儀社の首領である恙神涯は「自分と同じ立場の人がいない天〈涯〉孤独な存在」という対照的な存在として描かれている。

ストーリー

西暦2029年。突如発生した未知のウィルス、通称〈アポカリプスウィルス〉の蔓延によって引き起こされた大事件「ロスト・クリスマス」から10年後の日本が物語の舞台である。荒廃し、無政府状態となった日本はアメリカ軍を中心とする超国家組織GHQの統治下に置かれていた。
桜満集は世間やクラスメイトに対してどこか冷めた視線を向ける男子高校生。周囲との微妙な距離を保ちつつ平穏な日々を過ごしていた彼はある日、お気に入りの場所である廃校舎で憧れの歌手・楪いのりに出会う。傷を負った彼女はレジスタンス組織「葬儀社」のメンバーというもう一つの顔も持っていた。集はGHQ、GHQから最高機密「ヴォイドゲノム」を盗み出した楪いのり、葬儀社のリーダー恙神涯らと関わる中で「ヴォイドゲノム」に触れ〈王の能力〉を宿してしまう。
力を手に入れた集は、「葬儀社」に協力しGHQを退ける。しかし「葬儀社」への加入要請は断り、元の日常に戻る道を選ぶ。しかし彼のクラスにいのりが転入してきたことから、集は否応なしに「葬儀社」に加わる羽目になり、彼らの活動の中核となってゆく。
茎道率いるGHQが引き起こした〈第2次ロスト・クリスマス〉、そして自分と同じく〈王の能力〉を持つ謎の少年ユウとの接触により、集は封じていた記憶を思い出す。それは、姉の真名、そして親友・涯との幼き日々であり、ロスト・クリスマスの真実だった。そして涯は自分ごと真名を殺し、消えていった。
その後、第2次ロスト・クリスマスにより天王洲第一高校が学生たちの避難所となる中、GHQの情報工作により会長の亞里沙や綾瀬たち「葬儀社」メンバーは窮地に陥る。事態を収拾し皆をまとめるため、集は自らの〈王の能力〉の存在を明かし、その力で生徒達を守るために生徒会長に就任する。しかし物資不足から平等な避難生活を送ることが困難となり、その打開のために谷尋が提案した「ヴォイドランク制」の導入を悩む中、祭が命を落としてしまう。自責の念に駆られた集は「ヴォイドランク制」を導入し、低ランクヴォイド能力者達を酷使しする暴君と化す。脱出作戦「エクソダス」を発動するが、ヴォイドの真実を知った他の生徒たちのクーデターに遭い、さらに謎の復活を遂げた涯に右手を切り落とされ〈王の能力〉を失ってしまう。
その後いのりまで奪われてしまった集は放浪をつづける中、自らのこれまでの罪、アポカリプスによるあらゆる事を1人で背負うべく、ヴォイドゲノム3本の内の最後の一本を撃ち込み、王の能力とそれを宿した自らのヴォイド「右手」を取り出せるようになり、それによって仲間を襲っていた嘘界を葬り、仲間に再び協力を求め、いのり救出に向け動き出す。
登場人物
葬儀社
桜満 集(おうま しゅう)
 - 梶裕貴津田美波(幼少期)
本作の主人公。天王洲一高校の2年生で、現代映像研究同好会に所属する17歳[4]
世間や他人の顔色を常に窺い、人に嫌われるのを恐れ周囲の意見に流されるままに無難に過ごす日々を送ってきた。人と目を合わせるのが苦手で、精神的にもナイーブ。涯が個々人のヴォイドの能力及び形が「見える」ことを言い当てたり、谷尋の何気ない一言から彼がシュガーであることを見抜くなど鋭い一面も見せる。母が不在がちの家で一人暮らし同然の生活をしており、家事には手馴れている模様。文化系を自称する彼にとって葬儀社の訓練は厳しいものとなった。
GHQに追われる負傷したいのりと出会い、言葉を交わしたのも束の間、やって来たGHQにいのりを連行されてしまう。何もできなかったことへの悔しさ、何もされなかったという安心感がない交ぜになった自己嫌悪に陥るが、ふゅーねるを涯に届けることが自分が変われる最後のチャンスだと考え、涯や葬儀社の面々と出会う。同日深夜に発生した戦闘の最中、他者の胸部から結晶「ヴォイド」を引き出す〈王の能力〉を得たことで、涯が率いる葬儀社のレジスタンス活動に深く関わっていく。
六本木フォートでの作戦後「仲間になれ」という涯の誘いを断って普段の生活に戻るが、「シュガー」こと谷尋の裏切りや、嘘界の説得を受け、何を信じていいのかわからなくなり疑心暗鬼に陥る。
いのりの言動に翻弄され、自身の立ち位置を決めかねていたが、城戸奪取作戦時に命令を無視して駆けつけた彼女を信じようと決める。その裏では嘘界から発信機を手渡されており、いのりを葬儀社から連れ出そうとも考えていた。葬儀社に入り、いのりの真意を聞いたことで拠り所を失うも、綾瀬の助言と模擬戦を通じて認められることで表情は明るくなる。ルーカサイト攻略において涯の心情を知り、守るための力を望んでからは、涯に信頼を置き〈王の能力〉を委ねるようになった。
〈王の能力〉を宿した時に数々の凄惨なフラッシュバックを見るが、そこで語りかけてきた少女と幼少の集が一緒に写った写真があるにもかかわらず、彼女のことはまったく覚えがない。
颯太のことはかなり苦手としていた様子だが、颯太のヴォイドの真意を知って以来ヴォイドのことを深く考えるようになった。
ルーカサイト攻略作戦以降、いつかは自分も涯のようになれると希望を抱くようになった。しかし、助けを求めに来た谷尋とその弟・潤を、自分流に真似た涯のやり方で救おうとしたが、逆に潤を自分の手で殺めてしまった。それが原因で〈王の能力〉の使用に恐怖を感じるようになり、葬儀社の活動への参加も消極的になってしまい、さらには周りの人間が全てキャンサーに見える幻覚に悩まされるようになる。
活動への不参加が理由で涯を始めとする葬儀社のメンバーからは見限られ、さらには前述の幻覚が原因でいのりを「化け物」と言ってしまい、わだかまりを残したまま別れることになった。図らずも元の日常に戻ることが出来たが、そのことに対して虚しさを感じ、自暴自棄に陥るが、祭の叱責を受けて踏み留まることが出来た。そして、茎道が起こしたクーデターによる襲撃から、いのりと涯を助ける為に再起。祭たち学校の仲間の力を借りて羽田に向う。そして忘れていた記憶を取り戻し、茎道の目論みを一旦は阻止した。
普段は部活も文科系なため運動能力はかなり悪いが、ヴォイド使用時は身体能力が人間離れする(11話にて垂直の高層ビル壁面を足だけで駆け上がるシーンがある)。またヴォイドを取り出す際に瞳が赤くなる。第2次ロスト・クリスマス事件をきっかけに、〈王の能力〉が変異し、相手の手を取りながらヴォイドを取り出すことで、意識を失わずにヴォイドを相手に手渡す事が出来るようになった。
再起して以降は、涯のやり方ではなく自分なりのやり方で人を導くことを選び、成長した。茎道の目論みを阻止した後は平和な一時を過ごすが、直後に閉鎖された天王洲一高校を守るため、谷尋の推薦により皆を束ねるリーダーに任命される。しかし、谷尋の提案である「ヴォイドのランクによる区別」を「ランク付けによる差別」だとして受け入れられずに判断を迷ってしまい、その結果引き起こされた颯太たちの独断行動で祭を失ったショックから、役に立たない「クズ」は分けなくてはならないと考えるようになり、自ら王になることを宣言する。
ヴォイドランク制を実施すると同時に、天王洲一高校の新会長=王として君臨。感情をすべて押し殺し、目的遂行のためだけに力を注ぐようになる。だが本当は、全生徒らを東京から脱出させるために王として振る舞っているだけで、その立場に苦悩していた。エクソダス計画の成功後は亜里沙率いるクーデター派により実権を失った上、死んだ筈の涯に右腕を切り落とされ王の能力を奪われてしまう。いのりが単身敵の元に飛び込んだ後、これまで犯した自分の罪や、アポカリプスがもたらした苦しみを自分が引き受ける事を決意。3つ目のヴォイドゲノムを自らに投与し戦いの場に戻る。
葬儀社メンバーと共にダアトと対抗。ユウを退け涯といのりの元にたどり着くも、真名がいのりを乗っ取り復活。世界で真名とアポカリプスによる淘汰が開始される中、涯と決戦。涯の使用する“真名”のヴォイド「大剣」に押され半ばあきらめかけていたその時、いのりの記憶が残した結晶の花から現れたいのりの幻想に諭され、またこの花から“いのり”のヴォイド「大剣」を取り出し、いのりと共に辛勝。涯から「淘汰の終着点」にて、ダアトの目的を阻止し真名を解放するべく「自ら“魔王”となり、イブとしての役目を終わらせる」という真意を明かされた。その後、涯は真名と共に集の右腕の中に消える。集は涯の「今度はいのりを、お前が救え」という言葉通り、ほぼ全身が結晶化し視力すらないいのりを腕に抱き、淘汰を止める為「右腕」で世界中のアポカリプスウィルスを集める。集はいのりと共に逝くつもりであったが、いのりが全てを引き受けたことにより生き延びる。
全てが終わった後は、右腕と視力を失い義手と白杖の生活となったが、数年後の祭の誕生パーティーには、かつての学園と葬儀社のメンバーと共に集まっている。また集にとっては、いのりはもはや「常にそばにいる存在」となっている。
集自身のヴォイドは「右腕」。失った右腕の代わりとなる結晶状の義手を取り出し装着する。能力を行使する際は水色の蛍光色のラインが浮かび上がる。取り出されたヴォイドにもそれが反映され、蛍光色の輪郭を持つ半透明なヴォイドとなる。また、その状態では通常時より能力がアップするようである。能力は「他人のヴォイドの一時格納」と「アポカリプスウィルスの分離・吸収」で、後者の能力により自分が受け皿となることでウィルス感染者からアポカリプスを完全に取り除くことができる。
恙神 涯(つつがみ がい)
声 - 中村悠一渡辺明乃(幼少期)
本作のもう1人の主人公。レジスタンス組織「葬儀社」の首領。17歳[4]という若さで反勢力を率いるカリスマ性を持つ。ヴォイドに関して異常に詳しく、自身が手にするはずだったという〈王の能力〉を宿した集に目を付け、GHQとの戦いで彼の力を積極的に利用する。
作戦立案をはじめ銃撃、格闘などにも秀で、交渉や変装もこなす葬儀社の柱。ルーカサイト攻略戦では単身でエンドレイヴを行動不能にした。結果を重視し、その内容次第では相手を気遣ったり、容赦無い言葉を浴びせる冷酷さも垣間見せる。対象の人物が持つヴォイドを見極める眼を持ち、集の葬儀社参入後はその能力に基づいた作戦立案が主立っている。実はこの能力は涯自身がアポカリプスウィルスに感染していることに由来する。
ルーカサイトによる増援部隊の全滅から生還するが、精神的な打撃からか、仲間の犠牲や淘汰されかねない自身の弱さから来る葛藤を吐露する。いのりの機転でその場面に立ち会わされた集と和解し、ルーカサイト攻略戦では集が持っていた発信機を自ら起動させようと身を呈する。
実は、集のかつての親友。2029年の夏、茎道の研究施設から逃亡して海岸に流れ着いたところを当時の真名と集に発見され、名前を覚えていなかったことから、真名から「トリトン」という名を与えられ、数ヶ月間を共に過ごした。しかしその生活の中で真名の異常性に気付き、クリスマスイブに集を呼び出しそのことを伝えようとするも、真名の暴走、ロスト・クリスマスを引き起こしてしまう。そして「僕は強くなる」と言い残し、茫然自失となった集と別れた。
茎道の起こしたパンデミックにより、アポカリプスウィルスが悪化してしまうが、いのりの歌と春夏のおかげで悪化は収まった。その後、いのりのヴォイドを使うユウから集をかばい斬られるも、キャンサーの結晶により致命傷は免れる。単身で茎道のもとに乗り込んだ集を援護するため、綾瀬の〈シュタイナー〉と共に参戦し、自らの手で真名を殺そうとする。しかし多数の結晶に身体を貫かれて最期を悟り、自分を真名ごといのりのヴォイドで刺す事を集に指示、建物の崩壊と共に消滅した(12話)。
しかし、茎道らによって蘇生された後は態度を一変させ、集たちの前に現れた時(18話)は集の右腕を切り落とした。またクーデターに加担した天王洲一高校の3人のヴォイドを使い、ミサイル攻撃を防いで使い捨てにするという非道な行いを見せ、自分はかつての自分とは違うと言う。ダアトの首領となって全世界に宣戦布告し、いのりの確保を命令する。確保後、いのりを磔にする部屋で四分儀と面会、葬儀社と完全に決別している事を彼に言い渡す。そして、ユウ、研二、亜里沙を率い、国連軍や、いのりを救う為に乗り込んできた集ら葬儀社に対しても圧倒的な戦力で戦いを進める。一人たどり着いた集に対して、真名から取り出した剣のヴォイドによりとどめを刺そうとした時、いのりの残した結晶の花から取り出されたヴォイドによって倒された。最期は「淘汰の終着点」にて自らの真意を語り、真名と共に光となって集の右腕に消えた。
ヴォイドは「ライフル銃」で、人間を撃つとその人物のヴォイドを強制的に引きずり出す。集が過去の記憶を思い出し〈王の能力〉が変化した後は、意識を失わず自分のヴォイドを使って集を援護した。自らが〈王の能力〉を得た後は、右腕から放つ光線によって、離れたところの複数の人からも同時にヴォイドを取り出し、さらにはそれを別の性質に融合させられる能力を得た。
集は涯のようになりたいと言っていたが、本来涯の今の性格は昔の決断力のあった集の性格を真似たものであったことが消滅間際に語られる(12話)。
ユウのことを前から知っているなど、未だ集達が知らない情報を知ってる事が示唆されるが、ユウに関して詳細は一切語らなかった。
楪 いのり(ゆずりは いのり)
声 - 茅野愛衣 /  
本作のメインヒロイン。16歳。有名なウェブアーティスト「EGOIST」のボーカル。無表情でミステリアスな雰囲気を漂わせ、歌うことで感情を解放する。〈王の能力〉を宿した集が初めてヴォイドを引き出した相手。巨大な「剣」のヴォイドを持つ。銃の扱いに手馴れており、照準精度も抜群。
GHQの施設からヴォイドゲノムの入ったシリンダーを盗み出し、逃走中に逃げ込んだ廃墟で集と出会う。追跡してきたGHQに捕まるが、戦闘の混乱に乗じて護送車から脱走。付近をさまよっていた集に発見され、〈王の能力〉発現と同時にヴォイドを引き出された。翌日の六本木フォート戦で、集の活躍が天王洲第一高校の「シュガー」と名乗る生徒に目撃されたことを受け、集の護衛と「シュガー」の捜索および始末のため、涯の命令で集のクラスに転入。放課後には集の家に押し入り、成り行きで平時には居候することになる。
数々の思わせぶりな発言で集を困惑させ、それもすべて涯に言い含められたことであることを明かし、集を拒む。何もなかった自分に名前をくれたという涯には別格の感情を抱いているようだが、一方では涯の命令を無視し、集を助けに単独でGHQ施設に突入するなど、彼女の変化には周囲も戸惑っている。集を涯の独白に立ち会わせ、二人の距離を近づけた。集に対していつの間にか好意を抱いていたらしいが、本人はこの感情が何なのかわからない様子で、そのため集に「化け物」と言われたときは絶望的になっていた。だが、それでも集を想う気持ちは変わっていない様子。茎道が起こしたクーデターの際には、誰よりも集に来てほしいと願った。
ルーカサイト攻略戦で別人と思しき人格が表出し、自身の剣に研二の銃を取り込んだ剣状の長距離射撃用兵装を現出させ、ルーカサイトを撃墜する。
正体は茎道らが真名と交信し、その魂を入れるために創りだしたインターフェース。血液にはアポカリプスウィルスの進行を抑える効果があり、歌によってアポカリプスウィルスの影響で体に現れた結晶を消すことができる。
集が天王洲一高校の新会長になってからも彼と行動を共にし、涯と一緒にいた時の自分とは違い、自分の意志で集の下にいるとアルゴに告げた。制服の上に集と同じような黒いマント状の物を羽織っている。祭を失った集にとって、いのりは心の拠り所になっていったが、暴漢に襲われた時など時折真名らしき人格が現れ始め、自分自身に恐怖を感じていた。ヴォイドの真実を全生徒に伝えようとする亞里沙を見つけ、強引な形で彼女を阻止した。
亞里沙率いるクーデター直後、涯によって右腕を切り落とされた集を助け、廃墟の街を逃亡する。その後、ダアト率いる涯が自分を狙う事を知り、集を残して廃墟を去る。イヴたる真名のインターフェイスである事からアポカリプスの結晶を自在に操る事が出来、その能力が大剣のヴォイドの強力な力に関係しているようである。集を守るため涯率いるダアトのゴースト部隊に単身で挑んだ際には、そのような異形の力を解放し部隊をほぼ壊滅させたものの、涯の使用するユウの弓型ヴォイドにより捕縛されてしまう。
真名の乗っ取りに抵抗はするも、全ての記憶を潰され、体は真名に奪われる。しかし最後に唄を歌い流した涙が「結晶の花」となり、そこから集を諭し自分のヴォイドを与え、さらに歌による共鳴現象で真名の「淘汰と進化の裁き」に対抗し、涯と真名を破った。そうして肉体を取り戻すも、ほぼ全身が結晶化しており、視力すら失った状態で集の元に戻ってくる。「集の傍にいる」といい、全てのアポカリプスを一身に集めた集を救うため、そのアポカリプスを全て背負って逝く。その際、白い空間の中で集と最初にあったようにあやとりを取るように集にいい、取った集を笑顔で見ながら消えていった。
集に最初に出会った時に貰ったおにぎりが気に入った様子。集と共に過ごすうちに、彼が無くてはならない存在となる。
設定では『彼女は歌によって世界を表現する』となっている。
通称「金魚服」と呼ばれるオレンジ色のステージ衣装は、“”や“天使”をイメージしてデザインしたという。最初期のデザインでは胸の部分にも左右を繋ぐ服のパーツがあったが、荒木哲郎(監督)の意向によりそれは無くなり、胸部が大胆に開いたデザインとなっている。
篠宮 綾瀬(しのみや あやせ)
声 - 花澤香菜本作のヒロインの1人。人型ロボット「エンドレイヴ」のパイロット。明朗快活な17歳[4]。巨乳。普段は車椅子に乗っており、「車椅子に乗る時の姿がエレガントじゃない」として人の手は借りない主義。ダリルの操る新型エンドレイヴ〈シュタイナー〉に自身の〈ジュモウ〉を破壊されてしまうが、フォートでの作戦で鹵獲したダリル機〈シュタイナー〉を与えられたことで大幅な速度上昇を得た。
自身の障碍を侮った発言をした集を投げ飛ばすなど非常に勝ち気で、葬儀社に入りたての集の訓練をコーチすることになる。当初は集を頼りない男と見ていたが、模擬戦で見事な活躍をした彼を少し認めるようになる。車椅子は自分の個性であり、集の〈王の能力〉もまた彼の個性であると捉えている。
ツグミと仲が良い。歩けない自分にエンドレイヴという「脚」を与えてくれた涯を尊敬していて、恋愛感情を抱いている様子が窺える。涯といのりがただならぬ関係性を持っている事は知っているが、彼がアポカリプスウィルスの感染者である事を知っているかは不明。
集がヴォイドの力で親友の弟を殺してしまった事を聞いてしまい、彼の事が心配になり直接会いに行く。だが、涯に見放され、腑抜けになった集を見て愛想が尽き、涙を流し集の下を去ってしまう。心では、集の事を相棒のように見ていた様子で、天王洲一高校学園祭を襲ってきた暴徒集団と戦った時は、集と意気の合ったコンビネーションを見せた。
第2次ロスト・クリスマスの後は、ツグミと共に天王洲一高校に生徒として身を隠していたが、涯を救えなかったばかりか、「脚」であるエンドレイヴを失ったことから自分の価値を見失い、自暴自棄になっていた。しかし学校を襲う暴徒を前に、集に引き出された自分のヴォイドを纏い事態を乗り切ったことで、完全ではないものの立ち直った。
エクソダスの後に涯と再会を果たしたが、昔と違ってヴォイドを平気で使い捨てにする涯の非道な姿を目の当たりにし動揺する。その後、アルゴとツグミと共に逃亡。葬儀社の生き残りのいるアジトに潜伏する。嘘界率いるエンドレイヴ部隊の襲撃を受けた際は、皆を守るために最後のヴォイドゲノムの投与を志願した。
再起した集が再びヴォイドの力を手にしたことから、彼女は涯率いるダアトと戦うため新型エンドレイヴ〈シュタイナーA9(アーノイン)〉を駆り集を援護することとなる。
ヴォイドは「ブーツ」。脚に装着することで、陸や空を自在に駆けることができる。
redjuiceによればショートカットや髪をおろしたデザインもあったが、ポニーテールのラフ画を描いて見せた途端にスタッフの満場一致で決定されたという。
使用機体はジュモウ→シュタイナー→シュタイナーA9。
鶫(ツグミ)
声 - 竹達彩奈14歳。作戦中の情報を統括する有能なオペレーターで、ハッキング能力も高い。コードネームは「ブラックスワン」。幼い頃は両親にかまってもらえず、独りで人形遊びばかりしていた。活発で生意気な性格から涯に対してもタメ口で話す。口癖は「アイ(了解)」と「ネイ(否定)」。大雲に「くもっち」、四分儀に「しぶっち」といった様にあだ名を付ける事が多い。
綾瀬と同じく、当初は集に対する評価がかなり低かったが、日が経つにつれて彼を名前で呼ぶほど信頼するようになる。
第2次ロスト・クリスマス事件解決後、綾瀬と共に天王洲一高校に生徒として身を隠し、綾瀬と同じく生徒会の一員として行動している。前日に生徒会長不信任決議を出した男子生徒からは、「姉さん」と呼ばれるようになる。文化祭では潜入していたダリルにそうとは知らず大量の荷物を押し付け、だらしない姿を見せた彼を「もやしっ子」と呼んでいた。その後も彼とは正体を知らぬまま交戦する事となるが最終決戦の際自分を「皆殺しのダリル」と呼んだ彼を「アンタはもやしっ子よ」と叱りつけている。
アルゴが牢屋から脱走した際には、それを知った綾瀬を止めるためにロープで捕縛。親衛隊に捕まる事も考え、中立な立場を維持する。集の事情を知る1人ではあるが、独裁を行う集の側には付けないという状況であった。
エクソダス時には平気で他人のヴォイドを取り出し使い捨てにする涯に恐怖し、アルゴの運転する車で逃亡。残存する葬儀社メンバーと合流し、一緒に来た谷尋達の面倒を見ている。
ヴォイドは「ハンドスキャナ」。スキャンした人物の精巧なダミー人形を作成し、それを遠隔操作することができる。仮にそのダミーが破壊されてもヴォイド自体に影響はない。
企画段階ではいのりを差し置き、最もラフ画が描かれたキャラクター。頭部に付いているネコ耳は無線+頭部センサーという設定だが、redjuiceによれば「通信機→ネコ耳」というひらめきで付けてみたとのこと。
四分儀(しぶんぎ)
声 - 子安武人27歳。「葬儀社」の参謀役。「さすがです」が口癖だが、それは皮肉や嫌味として用いることが多い。
5年前、戦場で自分を殺そうとした少年兵だった涯を見出したことから彼を見出し、以来、涯を王にするために傍で手腕を振るってきた。
第2次ロスト・クリスマスの後はアンチボディズに拘束され、嘘界と「チェスで勝利したら涯に逢わせる」という取引を交わす。嘘界がわざと勝負に負けた為に涯と面会するが、「醜悪な偶像」となった涯に失望する。そして彼から預かった玄周の日記を携えて集と合流し、アポカリプスウィルスの起源について伝える。
最終決戦の際、ツグミをハッキングで妨害し続けていた研二に「チェックメイト」を言い渡し彼を射殺した。
月島 アルゴ(つきしま アルゴ)
声 - 勝杏里17歳。竜泉高校の2年生。白兵戦に長ける少年でナイフと格闘のプロ。その実力はナイフでブーメラン型ヴォイドを弾き返すほどである。集の訓練ではいきなり刃物を手渡し、彼を卒倒させた。綾瀬との模擬戦で不利を悟った集にヴォイド「暗闇になるライト」を取り出されるが、黒い光で照らした相手を暗闇で包むという代物であったため、自身が根暗ではないかと気に病む一面を見せた。飲み物を飲む際に小指が立つ癖がある。
クーデターの後は、大雲と共にクホウイングループ会長のもとに逃れる。そして亞里沙救出の命を受け東京に侵入するが、豹変した集と再会し、彼のやり方に反発する。その際ヴォイドの真実を知る。ツグミと同じく、独裁者となった集には味方しないと態度を鮮明にし、不当な扱いを受けるが、葬儀社に居た頃の何かに必死に抗う集の姿を気に入っていたと告げるなど、集を元の集に戻そうと懸命であった。
ヴォイドを平気で使い捨てにする涯を目の当たりにした事で、葬儀社および綾瀬とツグミを連れて別行動をとり、生き残りのいた葬儀社のアジトに潜伏。
ユウが自分や葬儀社達の事を集の従者と呼んだ時には「従者じゃない。仲間だ!」と彼の前で宣言している。
大雲の死後は彼の形見となった重火器を使用し戦闘に参加している。
大雲(おおぐも)
声 - 高口公介寡黙な大男で、銃器や爆発物のプロ。アルゴと共に逃れたクホウイングループ側では同会長と共に待機し、護衛に回っていた。24区から逃亡してきた春夏を匿うが、嘘界の罠にはめられマシンガンで銃撃される。春夏と倉知を逃がす事に成功するものの、嘘界に刺殺される。
城戸 研二(きど けんじ)
声 - 岡本信彦葬儀社と集の協力によりGHQの第四隔離施設から救出された少年。スカイツリー爆破事件を起こした凶悪犯らしい。GHQトップシークレットデータをハッキングして捕まった経歴の持ち主であり、天才少年。
葬儀社全滅後は行方不明だったが、涯と共にダアトに所属していた。葬儀社や国連軍との戦いではユウや亜里沙と共に参戦する。電脳戦ではツグミの攻勢を防御、逆に圧倒しかけたが、正体を掴んでダアトの施設に乗り込んできた四分儀により射殺される。
ヴォイドは重力を操作する「重力銃」。ルーカサイト撃墜時にはいのりのヴォイドと合体し巨大な銃へと変貌した。涯とは旧知の仲であるらしく、葬儀社の作戦行動にもすぐに馴染む。現在の涯を「ぬるい」と評する。
キョウ
声 - 藤東知夏葬儀社メンバーの中でも非常に幼い。涯に声を褒められたことを誇りに思い、また涯を尊敬している。
増援部隊や支援の受け取りポイントにいたために、ルーカサイトの砲撃により瀕死の重傷を負う。涯に感謝の言葉を告げた後、涯によって安楽死(射殺)された。
倉知(くらち)
声 - 川庄美雪葬儀社のメンバー。春夏とは顔見知りで、行動を共にする。
ふゅーねる
冒頭、いのりが連れていた「オートインセクト」と呼ばれるロボット。感情表現が豊か。集の家のロックを解く、洗濯物をたたむなど、なかなか多芸。同時にそのアームはスタンガンも備えている。捕縛用ワイヤーを持つほか、電脳戦にも対応する。
最終決戦では追加装備を施し集用のセグウェイ型車両として使用された。エピローグでは妻や子供を模したと思しきピンクのカラーリング同型機や複数の小型機が登場した。
いのりが無口なキャラクターであり、かわいいマスコットを出したいという制作スタッフの話し合いから設定された。デザインはredjuiceが担当しており、『攻殻機動隊』に登場する「タチコマ」の存在は意識したとのこと。名前は英語表記で "funeral"、「葬儀」の意味である。


天王洲第一高校校条 祭(めんじょう はれ)
声 - 嶋村侑本作のヒロインの1人。現代映像研究同好会のメンバーの1人。16歳。集とは中学時代からの付き合いで、現在でもクラスメイト。集にとって気安く付き合える相手であるようだが、彼の当たり障りのない態度を窘めることもある。集に対して密かな好意を抱いており、集がGHQに逮捕されたと聞いた時は涙を流すほど心配していたが、無事に登校してきた彼を見てホッとしていた。集に授業での遅れを教えている際に、何らかの変化を感じ取った様子。谷尋と集の再会を機に2人の後を付いて行った事で、集の真実を知ってしまう。(合宿時では、いのりが集の家にやっかいになっている事を颯太から聞き、集の気を惹こうとかんばっていた。)すべてを失ったようにな顔をしている集を見て、声をかけたが、今の集は自分の知っている集ではないため、彼に迫られた後、一発平手をくらわしてしまう。その後に、集がヴォイドを使いGHQのエンドレイヴと戦っていた現場を目撃した事を集に話し、変わり果ててしまった彼に涙する。再起した集からヴォイドを取り出され、その力で損傷したふゅーねるをリペアした後、集や颯太達と共に葬儀社を助けるために、つぐみの案内で羽田に向かった。
第2次ロスト・クリスマスを経て、集が生徒会長に就任してからは、ヴォイドで物資再生や生徒の治療に尽力しつつ集を支えるが、ヴォイドランク制導入を怖れ独断でワクチンを取りに行った颯太たちを止めに行った際、颯太に連れられ逃亡用の車両をリペア中にダリルのエンドレイヴから放たれた砲撃による爆発を受け重傷を負った。祭を庇って同じく重傷を負った集をヴォイドで治療を終えた最中、武装ヘリからの銃撃を受けてヴォイドを破壊され、集がみんなを救える「優しい王様」になることを願いながら死亡した。しかし、皮肉にも彼女の死が集にヴォイドランク制の導入、残酷な王となる事を宣言させるきっかけとなった。
ヴォイドは「包帯」で、生物・無生物を問わず巻いたものを瞬時に再生する。集は「祭らしい優しいヴォイド」と評した。
荒木哲郎の「やさしい妹系キャラ」という注文からできたキャラクターで、redjuiceによれば胸のサイズは主要女性陣の中では一番大きく、体形も「ワガママボディ」を意識して描いているという。“祭”と書いて“はれ”と読ませる名前は大河内一楼(副シリーズ構成)によるアイディアだが、他のスタッフからは「普通は読めない」とのツッコミも入れられている。
魂館 颯太(たまだて そうた)
声 - 阪口大助現代映像研究同好会のメンバーの1人。17歳。集とはクラスメイトで「EGOIST」の大ファン。周りからは「空気が読めない」と言われているが、わざと読まないこともあるらしい。転入してきたいのりに向かって唐突に葬儀社の話題を出し、「EGOIST」の歌詞は葬儀社っぽいなどと指摘した。
集がGHQに逮捕された事を花音から聞いて驚いていたものの、彼が学校に姿を現すとGHQに逮捕されてからの事を興味津々に聞いてくる。合宿の時は、いのりに告白したが、その途中で集にヴォイドを取り出され、告白は阻止されてしまった。そして、集と気持ちをぶつけあった事で、親交が深まった。
第2次ロスト・クリスマスが起こった時、集の呼びかけに応え、そこで集がヴォイドと呼ばれる力を自在に使いこなし葬儀社の一員となってGHQと戦っていた事と、過去に自分もヴォイドを取り出されていた事と、いのりが葬儀社のメンバーである事を聞かされる。集の必死の思いに心を動かされ、一緒に葬儀社メンバーを助けるため、羽田に向かった。
第2次ロスト・クリスマスの後は集の下で校内で働くものの、ヴォイドの力が弱いために缶詰を開封する程度の貢献しかできなかったことから、ヴォイドランク制導入を恐れるあまりに他の生徒たちと共にワクチン収集のために勝手に行動してしまう。結果この行為が祭の死とランク制導入を決定づけてしまい、他の低ランクの生徒達と共にワクチン投与の代償に重労働に課せられることになった。結果、エクソダス実行までの間に症状がステージ3まで進行してしまい、右側頭部がキャンサーに侵食するに至った。その恐怖から裏切りに遭った集をクレーターに突き落とし「俺は悪くない」と決別してしまう。涯の復活後はアルゴ率いる葬儀社の残存メンバーと行動を共にし、戦線に復帰した集のヴォイドによりアポカリプスを取り除かれた。その後、一度は裏切った集とどう接すればいいか分からなくなり、最初は素気ない態度を取ってしまったが、集との握手によって心の霧が晴れ、葬儀社と共にいく集を一緒に避難してきた天王洲第一高校の生徒達と共に見送るのであった。
ヴォイドは「カメラ」で、固く閉ざされた扉などのあらゆるものを『開く』ことができる。また、集のヴォイドによっての使用の場合、『開く』だけでなく『空間消失』の様な強化能力が使用可能。これは「集の心を開きたい」という彼の望みに由来する。
寒川 谷尋(さむかわ やひろ)
声 - 水島大宙、花澤香菜(幼少期)
現代映像研究同好会のメンバーの1人。17歳。集とはクラスメイトで社交的な性格。
気の利く性格で、転入してきたいのりを質問攻めにするクラスメイトを制したり、葬儀社の活動に巻き込まれた集を気遣ったりと、非常に好青年。しかし裏では、ノーマジーンを売り捌く売人「シュガー」として振舞っており、表面上の彼は演技に過ぎない。その取引の際、集たち葬儀社がアンチボディズと交戦している所を目撃する。「シュガー」であることが集に知られた後、互いの事情を秘密にするという約束をするが、弟・潤の治療費のために集を裏切りGHQに通報する。
集が復学した際には、処分されそうになった弟を連れて身を隠していたが、移動中に集と再会。彼の協力で潤を葬儀社に保護してもらおうとしたが、GHQに発見され集と内輪もめになっていた時にヴォイドを取り出され気を失い、意識を取り戻した時に潤の死を集の口から聞かされる。その後は学校にも戻らず街を彷徨っていたが、バイオテロの際に集が発した呼びかけに応じ現れ、彼や祭達と共に羽田に向かった。
第2次ロスト・クリスマス後は学校に復帰し、集を生徒会長に推して自分は補佐に付き、ヴォイドランク制を提案する。
祭の死の一部始終を見たことで「ヴォイドの破壊=死」という事実を知るが、集が事実を知ればヴォイド使用を躊躇うことを予測して揉み消した。しかし真相を集に知られたことで信頼を失い、さらに亞里沙襲撃の犯人であるいのりの処遇について集と争った結果、決別することになる。その際、かつて彼をGHQに売り信用を失くしたことを悔やんでいた。
エクソダスの後は、颯太や花音と共にアルゴ率いる葬儀社の残存メンバーと行動を共にする。最終決戦の際は颯太と花音と共にヴォイドを集に預け、24区に取り残された一般人の避難誘導を行う。
彼のヴォイドは、命を絶ち切るための「鋏」。人間の命を絶つ時は、螺旋状の赤い糸を切るようなエフェクトが挿入される。使い勝手のいいヴォイドである為か、いのりを失った後の集はこれを剣のように使う。
草間 花音(くさま かのん)
声 - 寿美菜子集のクラスの学級委員長。17歳。谷尋とは昔よく遊んだ仲だという。集がGHQに逮捕される現場を目撃した1人で、その事実に驚いていた。そして集が復学後、谷尋が不登校となりかなり心配していた様子。
第2次ロスト・クリスマスの際に集から全ての事情を聞いた後、祭達と同じく協力者の1人となり、一緒に羽田に向かった。
ヴォイドランク制が導入されてからは、祭の死をきっかけに周りの人間がだんだん変わっていくことを悲しむようになる。
当初の脚本には無かったキャラクターであり、redjuiceが本作の打ち合わせ時に勝手に描いた「メガネの委員長キャラ」がそのまま採用され、本編に登場することとなった。胸のサイズは、主要女性陣の中で一番控えめとなっている。
ヴォイドはモノクルに似た「レーダー」で、遠くの物を見通す事ができる。集が会長になってからはその能力で屋上からの見張りを担当していた。
供奉院 亞里沙(くほういん ありさ)
声 - 遠藤綾本作のヒロインの1人。天王洲第一高校の生徒会長。17歳。クホウイングループの長を祖父に持つ。高潔かつ潔癖な性格で、学内の男子の憧れの的。GHQに連行され、学校で好奇の視線を向けられる集を庇う。将来的にグループを背負って立つ者として期待され、完璧であることを志しているが、その重圧を受け止めきれてはいない。
日本の自主独立を掲げたグループ主催の船上パーティに出席した際、潜入していた涯に出会い、ただならぬ想いを抱き始める。
第2次ロスト・クリスマスの際に集から全ての事情を聞いた後、祭達と同じく協力者の1人となり、一緒に羽田に向かった。
事件解決後、閉鎖地区となった学園の全責任を務める生徒会長として仲間達と共に全力を注ぐが、GHQが閉鎖区画を切り捨てる情報を知った後、不安になる全生徒を抑える事ができなくなり、難波や数藤から不信任決議を言い渡されてしまう。結果集に会長の座を譲ったが、祭の死により変わってしまった彼に反発したため、校舎の一室に軟禁される(ヴォイドがSランクと高位だったため)。その後アルゴの拘束を聞き見張りから逃げるが、「ヴォイドの破壊=死」という事実を目の当たりにし、それを他の生徒たちに知らせようとした途端にいのりに襲撃されてしまう。その時の恐怖から混乱に陥っていたところをコンタクトをとってきた涯につけ込まれ、秘密裏に他の生徒を懐柔し、エクソダス計画の発動後集に対するクーデターを図る。
その後はダアトの一員として行動するが、近くにいられると思った涯の傍にいることは許されず、自分を粛清しに来た祖父を自らの手で殺すことになってしまう。いのりの捕縛後、任務中に集に拉致され、彼を葬儀社の潜伏しているアジトに案内する。決戦時は涯に付くことを決め、彼にヴォイドを託す。
国連軍の襲撃を受け、託されたヴォイドで通路を塞ぎ続けるが、真名の歌でアポカリプスウィルスの感染が進行してしまい右脚が結晶化する。それでもなおヴォイドで守り続けるが涯の死と集の力でアポカリプスウィルスとヴォイドが消滅。乗り込んできた国連軍に撃たれたが、ダアトのメンバーに救出された。その後の消息は不明。
「オリジナルなアニメなのだから」という理由で、制作スタッフの様々なフェティッシュが盛り込まれたキャラクターとなっている。
ヴォイドは涯曰く「弱い自分を守る臆病者の盾」。手鞠大の球体を介して6枚の盾を展開する専守防衛の能力で、無数に飛来するミサイルを防ぎきった。
難波 大秀(なんば ひろひで)
声 - 阪口周平数藤とつるむ眼鏡の生徒。亞里沙への不満から彼女の不信任決議を提案した。
ヴォイドランク制導入後は親衛隊の中核メンバーになる。表面上は集に従い、亞里沙の監視役を務めていたが、彼女から肉体関係を対価にクーデターを持ちかけられ、他の生徒達にヴォイドの秘密を暴露し集に反逆するよう煽る。エクソダス成功後に集に銃を向けるが、現れた涯により爆撃機撃墜のためにヴォイドを利用され死亡。
数藤 隆臣(すどう たかおみ)
声 - 樋口智透難波とつるむ長髪の生徒。「葬儀社メンバーを差し出せば閉鎖地区から出られる」という嘘界が流した風評に踊らされ、生徒に紛れこんでいた綾瀬とツグミを捕まえて全校生徒の晒し者にするが、彼女たちを助けようとした集により風評が真っ赤なウソであることを明らかにされ立場を失う。
ヴォイドランク制導入後は親衛隊の中核メンバーになるが、難波同様集への忠誠心は薄く、エクソダスに乗じて彼を裏切る。しかし涯によりヴォイドを利用され死亡。
ヴォイドはアメリカンクラッカー。詳しい能力は不明であるがそれなりにランクの高いヴォイドであるようだ。
宝田 律(たからだ りつ)
声 - 津田美波親衛隊の一人。難波・数藤と共に集を裏切るが、涯にヴォイドを利用され死亡。
ヴォイドは刀身が電気を帯びた短剣。インセクトの制御装置がある東京タワーを倒すため集が使用した。
縁川 雅火(ふちかわ みやび)
声 - 渡辺明乃親衛隊の一員。集に心酔している。そのためエクソダス後に集の手を斬り落とした涯に斬りかかるが、涯に随伴していたエンドレイヴにヴォイドを破壊され死亡。
ヴォイドは巨大な鎌。

GHQダリル・ヤン
声 - 内山昂輝GHQのエンドレイヴパイロット。17歳。階級は少尉で、司令官ヤン少将の息子。
物質的には恵まれながらも人並みの愛情とは無縁な環境で育ち、極度の心理外傷を抱え込んだ結果、他人や集団を顧みない自分勝手な人格が形成された。人との肉体的接触を嫌悪し、たとえ相手が上官であっても面罵し民間人の女子供を平然と殺害するなど、人格は破綻しており「皆殺しのダリル」の二つ名で呼ばれる。
将校という立場であるにも関わらず、指揮系統を無視し無断出撃を行い、綾瀬のエンドレイヴと戦闘に突入するなど組織という物を第一に考えていない。このような性格からか、戦闘中においても涯への敵愾心という私情でルーカサイトのコアを省みる事無く施設内で発砲、東京壊滅の危機を招いている。
ただし、戦闘要員としては優秀らしくエンドレイヴの操縦の腕は確かなものであり、量産機〈ゴーチェ〉で綾瀬の新型機〈シュタイナー〉と互角に渡りあった。
誕生日は8月23日。ゴーチェの機体ナンバーも823であるが、そこにこめられた真意を汲もうとしない父への絶望と憎悪を嘘界に利用され、茎道のクーデターに協力してしまう。その際に父を自らの手で殺害したためか、以後心境に変化が表れ始める。
閉鎖区画の東京浄化作戦に使用されたゴースト部隊の一方的虐殺行為に不満を抱いていて、殺し方に愛がないと言う。ツグミを「ちんちくりん」と呼ぶなど、学園祭の時に自分におせっかいを焼いたツグミに何か思う所があるようで、ツグミのヴォイドによって作られた集・綾瀬・ツグミのダミーがゴースト部隊に銃撃される光景を目にした時には動揺を見せた。
アンチボディズ側で涯が現れた際には、自分の手で実の父親を殺めてしまった事を思い出し彼に反撥。文句を口にしながらツグミを助けるのであったが、命令違反をした事で牢獄に放り込まれる。
葬儀社に対する敵対心が強く、幾度となく葬儀社に戦いを挑むも敗北している。最終決戦では、葬儀社との決着を付ける為に自ら「ヴォイドゲノムエミュレーター」の実験体になる事を志願し、大型エンドレイヴ〈ゲシュペンスト〉に搭乗。綾瀬たちの前に立ちはだかる。涯が敗れた事でエミュレーターが作動しなくなり、綾瀬に敗れる。それでもなお「お前らをやれば僕は皆殺しのダリルでいられる」と宣言するがツグミによって否定された。敗北後にアンドレイによって命を救われ、エレベーターで逃亡する。
ヴォイドは「万華鏡」。ビームや銃弾を弾き返すバリアフィールドの様なものを形成する。〈ゲシュペンスト〉搭乗時には「ヴォイドゲノムエミュレーター」の効果によりそのヴォイド能力を使用している。
使用機体はシュタイナー→ゴーチェ→ゲシュペンスト。
茎道 修一郎(けいどう しゅういちろう)
声 - 井上和彦特殊ウィルス災害対策局長で、アンチボディズの指揮官。玄周とは旧知の仲。春夏の実の兄。性格は一見冷徹ながら、その心底に狂熱的なものを秘めている。
玄周のIDカードを所持しており、それを利用して大島の施設から「はじまりの石」を持ち出す。その直後、GHQへ出頭し拘束されるが、実は「はじまりの石」がヤンの手に渡る事も計画の内であった。嘘界に「はじまりの石」を発動させ、アポカリプスウィルスのパンデミックを引き起こした後、アンチボディズによって拘束から解放されクーデターを起こす。ユウを使っていのりを捕らえ、真名を蘇らせることでアポカリプスを実行に移すも失敗した。
第二次ロスト・クリスマス以降は日本の臨時政府大統領に就任し、天王洲一高校をはじめとする第七管区を10年閉鎖することを決定した後、そこの浄化を名目とした大量虐殺を開始する。最終決戦では戦いの行く末を監視していたが、乗り込んできた春夏と対峙し、「戦いに勝ったのは俺でも玄周でも無い」と言い残し、アポカリプスウィルスを自分自身に打ち込んで自殺する。
ヤン
声 - 土師孝也GHQの司令官。階級は少将。ダリルの父親だが、ダリルが実の息子なのかという事に疑いを持っており、息子として見ていない。
茎道が起こしたクーデターにおいて、愛人諸共ダリルに殺害される。
グエン
声 - 志村知幸階級は少佐。いのりを捕縛する際に蹴りつけたり、避難勧告に乗じて人質を取り葬儀社を誘き出そうとするなど、過激な性質の持ち主。「脂身」などダリルの傍若無人な言動の数々に憤激していた。奪われた「ヴォイドゲノム」の奪還のため六本木フォートを襲撃。部隊を率いて葬儀社と対峙するも、涯の策略によりビームの乱反射に巻き込まれ死亡。
嘘界=ヴァルツ・誠(せがい=ヴァルツ・まこと)
声 - 神奈延年階級は少佐。左目が義眼の男で、ノーマジーンの流通ルートを一週間で解明してしまう切れ者。しかしその実態は、自らの興味や悦楽のためなら何がどうなっても全く意に介そうとしない狂人。通称は「ハングマン」。ナイフの扱いにも優れた一面も持つ。
クロスワードを楽しんだり、「処世術だ」と言ってダンのテンションをまねたりなどコミカルな一面も見られる。
〈王の能力〉に興味を持っているらしく、力の発動を見るためだけに敵味方の犠牲を問わない様々な策を巡らせていた。また、そのために茎道にも与し、第2次ロスト・クリスマスの際には上官であるダンを侮蔑の言葉と共に射殺した。
第2次ロスト・クリスマス以降は特殊ウィルス災害対策局長に就任する。閉鎖地区の完全封鎖を言い渡された際「葬儀社のメンバーを差し出せば外に出られる」というデマメールを地区内に流して楽しんでいた。蘇った涯が得た〈王の能力〉を見るが「何か違う」と惹かれず、春夏が持ち去った最後のヴォイドゲノムを狙って追撃を図る。葬儀社と共に廃墟に籠城する彼女を追い詰めるが、再び〈王の能力〉を得た集に谷尋の「鋏」で死亡。その際には「他人の心が私の中に入ってくる」と恍惚の表情を浮かべていた。
桜満 春夏(おうま はるか)
声 - 藤村知可集の義母。GHQ所属のヴォイドゲノムを培養するセフィラゲノミクス主任研究員。週に一度程度しか帰宅しない。集からは「春夏」と名前で呼ばれている。自宅に入るなり服を脱ぎ捨て、下着姿でうろつくラフな性格で、桜満家に居候しているいのりと出くわしてもまるで動じなかった。
茎道の妹であり、飛び級で大学に入学するほどの才女で、それゆえに研究に明け暮れる玄周に興味を抱き、彼と結婚するに至った。そして2029年、彼の実子である真名と集と共に過ごそうとしたクリスマスに玄周を喪い、そしてロスト・クリスマスを経験する。真名と集に起こったことを知る数少ない人物で、以来「集を守る」ことを自身に課している。
第2次ロスト・クリスマス発生前に、茎道から集がヴォイドゲノムを継承していた事と、“葬儀社”の一員となっていた事を知らされる。ダンの協力で嘘界の監視から逃れる事ができ、逃げている途中にいのりと涯に出会い、アポカリプスウィルス拡大を防ぐために葬儀社に協力する。
第2次ロスト・クリスマス以降は、王の宿命から集を解放するために24区に与し、涯の復活に関わる。その後真名の殺害に踏み切るが、策は全て茎道に見抜かれており、やむなく最後のヴォイドゲノムを持って逃亡。葬儀社残存メンバーに合流し、再度力を手にした集や葬儀社の面々と共に決戦に臨んだ。
ダン・イーグルマン
声 - 最上嗣生供奉院家の船外パーティーを行っている船にドラグーンミサイルで襲撃しようとしたGHQから派遣された軍人。階級は大佐。「ガッツで行こう」等の言動からスポーツマンに則った精神を持っているようであり、ワイルドな行動を好む。女性に暴力は振るわず、部下にも親交を深めようというコミュニケーションをとっており、性格的には悪人ではない模様。しかし地対空ミサイルであるドラグーンを「上に飛ぶなら横にも飛ぶ」と強引に車両ごと寝かせて射出するなど非常識な面も多々見られる。
クーデターの際、ウィルスにより身体の一部が結晶化し、さらにダリルの裏切りによる襲撃を受ける。その後、春夏をかばうように逃がし、嘘界を組み伏せるものの逆に射殺される。
アンドレイ・ローワン
声 - 野坂尚也メガネをかけた青年で階級は大尉。グエンの死後は嘘界の補佐やダリルのオペレーターなどを行う。実質的には嘘界に近い人物らしく、GHQを裏切り、茎道のクーデターに協力した。
日頃の言動から見るとごく普通の良識人らしく、嘘界や茎道の行う大量虐殺作戦に抑えきれない嫌悪を感じている模様。
ダリルの反逆時には庇うなど彼を気遣う様子も見られ、GHQの追っ手に追跡された際には彼をエレベーターに押し込み逃がしている。その際は「生き直せるなら今度はもっと人に優しくしろ、本当はもっといい子だったんだろ、ダリル坊やは」と言葉を掛けるなど、本心から彼の事を思っていた。


その他
桜満 真名(おうま まな)
声 - 茅野愛衣
いのりに似た容姿の人物。物語の中核を担う存在の1人。〈王の能力〉を宿した集にたびたび語りかける。幼い集と一緒に写った写真がある。
その正体は集の姉であり、「はじまりの石」に最初に触れ、最初にアポカリプスウィルスに感染した第一感染者。2029年の夏、砂浜に打ち上げられていた少年の涯を助け、「トリトン」と名付けた。しかしウィルスに精神を蝕まれた結果、集に対し異常な愛情を抱き、自分を危険視した涯を亡き者にしようとする。クリスマスの日教会で涯を騙し、銃の暴発で怪我を負わせたところを集に発見される。集に迫るも、身体を覆う結晶を見た集から「化け物」と突き放されたことで精神が揺らぎ、ウィルスを暴走させる。周囲を感染させ崩壊させつつ、自らも集と涯に助けを求めながら崩壊していった。これが「ロスト・クリスマス」となる。
現在で茎道らの計画によって、いのりの体を使い復活させられかけたが、集と涯によってとどめをさされ、正気に戻り涯と共に消えていった。だが、真名の存在はまだいのりの中に残っているらしく、彼女の体を使って亜里沙を攻撃したり、廃墟の町に居る危険人物達を瀕死状態に追い込んだりしている。未だに集を求めている様子で、涯を利用し集が自分の下に来るのを待っている。そして、記憶の消えたいのりの体を依り代に完全復活を果たす。復活した後集に迫るが拒絶され激怒、彼と完全に決別し世界中を自らの踊りによって結晶化させようとする。最期は「淘汰の終着点」において涯と共に集の右腕に消えていった。その体は何度朽ちても復活させられ永遠に役割から解放される事は無かったが、涯の行動によりようやく解放された。
ユウ
声 - 西墻由香
ダアトの一員である、金髪碧眼の少年。ただし10年以上前から容姿が変化しておらず、実際の年齢は不明。本人の口振りから、千年以上の時を生きているかのような言動をする。
茎道が話しかけていた少年。集の〈王の能力〉のフラッシュバックでも似たような人物が確認されている。真名のことを知っている。集と同じく〈王の能力〉を持ちそれによって、いのりからヴォイドの剣を取り出すとそれで集を庇った涯を斬り付ける。手には集と同じく{王の刻印}がある。
その正体は「ダアトの総意を象徴する者」であり、自らの存在そのものがダアトであるとも語っている。アポカリプスウィルスを開発し隕石を使って地球へ送り込んだ惑星の使者である。
集との戦いで敗北するが、自身は集と涯の戦いを見守る立場になり、消えていった。
年齢不詳でありながら「弓」のヴォイドを持ち、涯が使用している。GHQの艦隊が襲撃してきた際には亞里沙の「盾」と城戸の「重力銃」と合体した、スプリットミサイルの様にアポカリプスウィルスの矢をばら撒く弓型のヴォイドへと変貌した。
桜満 玄周(おうま くろす)
声 - 関俊彦
集と真名の父親である優秀な遺伝子学者。
天王洲大学ではゲノム理論を提唱して学会で一目置かれる存在になり、ほどなく結婚。真名を授かる。しかしアポカリプスウィルスの出現による娘の豹変、妻の死を経験することになり、孤独に身を置きウィルス研究に没頭するようになる。この間に春夏と再婚するが、ロスト・クリスマスにて、自分を妬む茎道に射殺される。
マイペースで家族への愛情が深く、友人思いの人物だが、一人で何でも出来て一人で何でも抱え込んでしまう為孤独になってしまい、また他人の内面に疎い一面がある。茎道とのすれ違いを生んでしまう。
寒川 潤(さむかわ じゅん)
声 - 津田美波
谷尋の弟。アポカリプスウィルスに感染しておりGHQの施設で治療を受けている。既にステージ4に達し、身体の半分ほどが結晶化している。また、その副作用で涯と同じくヴォイドの形が見える能力を持つ。
エンドレイヴの攻撃を受けるが、意識を宿した身体の結晶がエンドレイヴを侵食し暴走、谷尋に襲いかかるが、残された最後の意志で集に自分を殺すよう頼み、兄のヴォイドで命を絶ち切られた。

用語

王の能力
セフィラゲノミクスが3つだけ製造に成功した、強化ゲノムによって付与される能力。ヒトゲノムのイントロンコードを解析し、内に秘めた力をヴォイドの形で取り出せる、神の領域を暴くヴォイドテクノロジーの頂点。
ヴォイド
人の体内にある物質。「形相を獲得したイデア」であると涯は述べている。イデアとは倫理学において「理想」を意味するギリシア語であり、後述の“個々の恐怖やコンプレックスの反映”がなされるヴォイドの特徴と関連していると思われる。
ヴォイドゲノム
桜満玄周がアポカリプスウィルスを解析して見つけ出した遺伝子コードの名称。対象となる人物の遺伝子情報を読み取り、それをヴォイドとして具現化する〈王の能力〉を手に入れる。投与された者は体に王の刻印が現れる。なお現段階で、ヴォイドテクノロジーの頂点である「ヴォイドゲノム」は3個しか生産に成功していない。現段階では集と涯とユウが〈王の能力〉を得た人物に該当する。
ヴォイドを取り出す際には対象の人物と視線を合わせる(「見られている」と思わせる)必要がある。17歳以下からしか取り出せず、人によって出現するヴォイドは多様(個々の恐怖やコンプレックスなどが反映されているらしい)。加えてヴォイドを取り出された人物は気を失い、その前後の記憶を無くすため、自身のヴォイドを見ることはない。しかし、物語の進行と共に能力が次の段階に移行し、ヴォイドを取り出された本人も意識を保ち、取り出したヴォイドゲノム保有者ほどではないが自らのヴォイドを使えるようになる。それぞれのヴォイドの強弱は特殊な検知器によって数値化され目に見えるようになる。
しかし、ヴォイドを破壊された場合、その持ち主は肉体がキャンサー化して死亡する。
アポカリプスウィルス
2029年の東京で突如発生した謎のウィルス。発症すると身体がキャンサーと呼ばれる紫色の結晶体に変異していき、全身が変異すると砕け散って死亡する。第一感染者であり「イヴ」である真名の歌を感染者が聴いた場合は、症状が一気に進行する。
感染者は凶暴化されると噂されるが、GHQによって厳重な情報管理が敷かれているため、公にはその詳細が知られていない。
このウィルスの蔓延が原因となり、当時の日本の政治中枢は大混乱に陥り、結果的には国連から派遣されたGHQの統治下へ入ることとなった。
GHQの情報統制により一般人は詳細を知らず、重度の発症者は隔離施設に収容され各ステージに分類され治療を受けている。
現在では日本人の全員が感染していると見られており、月に一度のワクチン摂取が義務づけられているが、放棄された六本木地区は対象外であり、住民はワクチンの投与も受けないまま地区ごと隔離されている。
アポカリプスウィルスに感染すると稀にヴォイドを視ることができる能力を手に入れることが、潤の話で明らかになる。
ロスト・クリスマス事件
2029年12月24日に起こった六本木でのアポカリプスウィルスの感染爆発と、それに伴う騒乱。天王洲にあるセフィラゲノミクス社と、六本木ヘリ墜落事件の追悼式典会場が爆破され、百数十名が死亡した。犠牲者の中には、最期の日本政府の全閣僚、副大臣、東京都知事及び副都知事、財界の大物などが含まれる。この事件によって日本は政府機能を失い、多国籍軍による治安維持部隊が投入され、後に発足したGHQによる日本暫定統治が始まるきっかけとなった。
六本木ヘリ墜落事件
小説版より。2029年11月1日に起きた、六本木の、成功者の象徴とされた高層ビル群に所属不明の1機のヘリが墜落した事件。死者は約20名。犠牲者の多くは財政界に影響力を持つ富豪であった為、12月24日の追悼式典には総理を始めとする閣僚全員が出席。同式典会場はロスト・クリスマスで爆破された。
葬儀社
GHQの統治から日本の開放を目指すレジスタンス組織。拠点は六本木フォートでメンバーのほとんどが若者。今までは組織の存在を隠してきたが六本木フォート侵攻(第2話)を受け、組織の存在をテレビなどで公表した。リーダーである恙神涯のもと、アンチボディズと対抗するための装備と組織力がある。組織名の由来は「自分達は常に淘汰される弱者を〈送る〉側である」ことから。海外にも支援者がいるらしく、日本国内でもクホウイングループの協力を取りつける。
第二次ロスト・クリスマス事件では敵の罠にはまりリーダーの恙神涯を失った上、数多くの幹部も行方知れずとなり、壊滅的打撃を受けてしまう。
GHQ
アポカリプスウィルスが日本中に蔓延した際、アメリカ軍を中心に超国家間で発足した超国家的組織。政府機能を失った日本に対し武力介入を行い、軍事占領下に置いている。ワクチンの開発に成功しており、日本国民へのワクチン投与を名目に現在も日本に駐留し続け、日本人を経済的にも隷属させている。本拠地は24区。広義では総司令部〈General Headquarters〉の略語。
アンチボディズ
GHQに所属する特殊防疫部隊。正式名称は特殊ウィルス災害対策局で、茎道修一郎が局長を務める。感染者を独自で認定・隔離できる権限を持っており、その場で殺処分することもある。フォートに住む住民にとっては恐怖の対象であり、その出で立ちから「白服」と呼ばれている。
OAU
アフリカ連合が改組して生まれた、アフリカ国家連合機構。生まれた理由はロスト・クリスマス事件後、国連加盟国の分担金は大幅に増加しており、ロスト・クリスマス後のGHQ日本統治に伴う費用がその背景にある。第5話で茎道と嘘界が交わしていた会話にある「リーブ・ネイションズ」は国連脱退国という意味である。日本を占領した事でその地位を高めた欧米勢力中心の意志決定と資金負担の増加を嫌う途上国は次々と国連を脱退していき、特にアフリカ諸国に数が多い。葬儀社の涯は反国連・反GHQの支援を求めて、国際政治の新勢力となっているOAUに対し接触を図っていた。
クホウイングループ
供奉院家によって興された日本の国際企業グループ。第7話に登場した供奉院翁は、供奉院家当主のほかにグループ会長としてトップダウン型の経営を行なっている。GHQの統治以後、「日本国民による自主自立」を目指していた供奉院翁は、GHQによる収奪にも反発して政官界のネットワークを使い様々な策謀を巡らせている。亞里沙はその孫で当主の跡継ぎという立場であるが本人は承諾してはいるものの、内心では微妙に嫌がっている。
後のロスト・クリスマス事件以後は葬儀社が壊滅した上に、茎道らの不穏な動きによって孫娘を含む多くの日本人が抹殺されようとしている事態に苦慮している。
24区
かつてお台場があった場所。日本にとってはロスト・クリスマスに端を発する騒乱の象徴。GHQやアンチボディズの本拠地であり、暫定統治のために建設された巨大建造物には行政や軍事、ウィルス研究などの施設が集約されている。
セフィラゲノミクス
アポカリプスウィルスの基礎研究やワクチン製造などを行う製薬企業。GHQやアンチボディズと関係があり、そのため研究所も24区にある。3本のヴォイドゲノム製造に成功していた。集の母・春夏はこの企業の主任研究員でもある。
エンドレイヴ
GHQの所有する人型ロボット。正式名称は "Endoskeleton remote slave armor" =「内骨格型遠隔操縦式装甲車両」で、その通称がエンドレイヴである。内骨格にいくつかのモーターや電動アクチュエータ、バッテリーをマウントし、走行機能を持ったアームロボットのような設計思想となっている。技術の発展によって多モーター化と軽量化が図られているため、開発世代が新しくなるごとに小型化・人型化が進展している。多くの機体は手持ちの銃器を使用する。
アポカリプスウィルス研究の副産物として生まれた「ゲノムレゾナンス伝送技術」によって、オペレータはほぼタイムラグ無しでエンドレイヴに意志を伝えることが可能。しかし、機体に大きな障害があった場合、逆流信号が発生しオペレータにダメージを及ぼすという問題点もある。危険時には「ベイルアウト」なる、非操縦者による強制手段により通信を遮断する。
ジュモウ
GHQの最旧型エンドレイヴ。人型からは程遠い機体形状で、丸みを帯びたフォルムが年代を感じさせるデザインになっている。背部にある角のようなミサイルランチャーが特徴的な他、胸部に機関砲を持つ。機体色はアイボリー。
葬儀社側で綾瀬などが運用していることから、鹵穫した機体を使用しているものとみられる。2話で綾瀬の機体は破壊され、GHQから奪取したシュタイナーに出番を譲る。最終決戦でも葬儀社側で数機の運用が見られた。
ゴーチェ
GHQの量産型エンドレイヴ。旧式機のジュモウと比較すると小型である。移動時には脚を折りたたみ、戦車の様な形態をとる。装備としてレールガン、パイルバンカー、ミサイルなどが搭載できる。エメラルドグリーンの機体色の一般機と、黒基調の機体色のゴースト部隊仕様の機体が存在する。
シュタイナー
GHQの新型エンドレイヴ。ダリルが運用していたが、後に葬儀社に奪取され綾瀬が使用する。機体色は白。第2次ロスト・クリスマスにて破壊される。
頭部センサーの発光パターンがダリル操縦時には青、綾瀬操縦時には赤と異なっている。
後期OP映像には出ているものの、後期の本編には出演せず、そのまま後継機のシュタイナーA9に出番を譲った。
シュタイナーA9(アーノイン)
最終決戦にて綾瀬が使用した機体。葬儀社側でシュタイナーをチューンナップした機体と思われる。各部から突き出たパーツにより、原型機と言えるシュタイナーよりも棘々しいフォルムとなっている。出力強化が図られたのか、スラスターによる飛翔が可能。両腰からはビット兵器を射出し使用している。
OP映像では一貫して通常のシュタイナーが描かれており、A9は登場しない。
ゲシュペンスト
最終決戦にてダリルが使用した大型エンドレイヴ。通常のエンドレイヴよりもかなり巨大な体躯を持ち、有線式ロケットアームなどの特殊な兵装も有する。
遠隔共鳴システムを使用せず、試作段階の「ヴォイドゲノムエミュレーター」により操縦。その能力かダリルの「万華鏡」と思しき物理障壁を発生させ、アルゴの銃撃を弾き返している。
スワップ
エンドレイヴの運用はその性質上、複座制御はできず、すべて単座であり一人のオペレータによって接続・制御が行われている。神経接続を行なうオペレータの精神負担は大きいため、その作戦時間には限界がある。そのため稼働中のオペレータや機体を入れ替える「スワップ」という運用が可能となっている。本来は長時間の作戦行動においてバックアップオペレータと交代するための手段だが、第6話でダリルはルーカサイト制御室に予め配置されていた機体にスワップして、葬儀社を迎え撃った。
ルーカサイト
非対称8の字の準天頂軌道を周回している、3機の対地攻撃衛星で構成される衛星コンステレーション。その威力はたった3パーセントで周囲1キロメートル以上を壊滅させるほどの物。コンステレーション完成時には3機のうち1機が日本上空にある状態となり、地形や建造物に遮蔽されることなく日本全土を標的にできる。GHQによる統治が始まって以来、日本からの出国は防疫対象として厳しく制限している。空海路の完全封鎖によるルーカサイト計画は、アンチボディズ主導で実施されたプロジェクト。葬儀社によるルーカサイト攻略戦時に2機が撃ち落とされている。
ノーマジーン
本来はアポカリプスウィルスのワクチン研究の中で偶然に発見された薬物。その製法がなんらかのルートで流出し、日本国内で密造・密売が広がっているジーンドラッグ。常習性の一方で既存の禁止薬物に比べ肉体的・精神的ダメージが軽微なため、若者達の間ではカジュアルドラッグとして流行している。六本木フォートは非合法な取引の場として利用されており、谷尋は密売のために出入りを繰り返して資金を貯めていた。
ダアト
復活した涯が率いる秘密結社。フリーメイソンシオン修道会よりも古くから存在し、その存在は伝説だと思われていた。そのシンパは世界中のあらゆる組織に浸透している。24区を拠点に構え、全国ネットで世界に宣戦布告をする。
ユウによると、その実態は人類の意思を決定する機関であると語られている。






Kamis, 12 April 2012

青の祓魔師 (エクソシスト)~ Ao no Ekusoshisuto

『青の祓魔師』(あおのエクソシスト)は、加藤和恵による日本の漫画作品。『ジャンプスクエア』(集英社)にて、2009年5月号から連載中。略称は「青エク」

概要

『ジャンプスクエア』2008年9月号に掲載された読み切り「深山鶯邸事件」(みやまうぐいすていじけん)を原案としたダーク・ファンタジー。学園漫画の要素も盛り込まれている。
2011年9月現在、1巻から7巻の累計部数は700万部[2]。テレビアニメ放送に伴い、原作単行本の初版発行部数が1年足らずで7倍以上になるという、爆発的な伸びを見せた[3]。
2011年4月より10月までテレビアニメが放送され、最終回終了後には映画化が発表された(詳細は青の祓魔師 (アニメ)を参照)。

あらすじ

主人公・奥村燐修道院で暮らす少年。同じ修道院に住み、有名高校へと進学する双子の弟・雪男とは違い、高校にも行かず、就職先までもが見つからずにいた。そんなある日、喧嘩相手の不良に起こった異変と同時に、燐は「悪魔」の存在を、そして自らが魔神(サタン)の息子であることを知る。
燐の養父であり祓魔師の藤本獅郎は、サタンから燐を守るために戦い、命を落とした。獅郎の死を経た燐は、サタンを倒すべく祓魔師(エクソシスト)になることを決意する。

登場人物
担当声優はテレビアニメ版のもの。
主要人物
奥村 燐(おくむら りん)
声 - 岡本信彦渡辺明乃(幼少期)
本作の主人公。 15歳。12月27日生まれ[注 1]。血液型A型。身長173cm、体重63kg。
南十字男子修道院で育つ。明るく温かい性格の持ち主。養父の獅郎を実の父のように慕ったり、幼い頃には弟の雪男や弱いものをいじめから率先して助けたりと家族想いで、他人に対してもかなり情に厚く、自分自身の非を認める誠実な一面もある。また大変素直で、相手の言動をそのまま受け止める。
幼稚園児の頃から他人との違いを明確に意識しており、人に嫌われ友達もできず、中学卒業までは半ばグレている状態に近かった。中学校はよく授業をサボっていたようで、修学旅行にも参加しなかった。幼い頃より怪力と生来の粗暴さから「悪魔」と呼ばれ続け、中学時代は不良だったために、卒業後は就職先も見つからず思い悩んでいた。ただし無鉄砲で喧嘩っ早いのは持ち前の正義感が誤解を生んだ結果である。
勉強はあらゆる面で苦手で、九九もまともに言えないほどである。その反面手先が器用で料理が得意であり、その腕前はプロ並みである。料理のレパートリーは和食・洋食といったいわゆる家庭料理全般。
サタンに体を乗っ取られた養父・獅郎の死後、正十字騎士團の門を叩き学園へ入学。獅郎の仇を討つと共に「サタンをぶん殴る」ために祓魔師になることを決意し、祓魔塾へ入る。志望称号は騎士であり、自分を生かした獅郎の正しさを証明するために聖騎士を目指す。
サタンの落胤(人間と悪魔の混血)として生まれ、その証である「青い炎」を継いでいる。普段、炎は降魔剣「倶利伽羅」により封じられているが、鞘から抜くことで封印を解き、全身から炎を発することができる。一部の悪魔からは「若君」と呼ばれ崇められており、またメフィストやアマイモンからは「兄弟」と見られていることもある。また、覚醒後は黒く長い悪魔の尻尾と尖った耳や牙などの悪魔の特徴が表れ、現在は尻尾の付け根には小さな環が付けられており、他者が真言を唱えることで絞まり、燐に激痛を与えるようになっている。
覚醒後は自然治癒力も高まり、致命傷になりかねない傷でも短時間で癒えるようになる。だがそれ故に、劣勢になると自身の体を盾にする自己犠牲的な行動が目立つようになる。魔障の影響もほぼ受けないが、逆に聖水などの退魔の力にはある程度ダメージを受ける。戦闘能力が強化される半面、その力に飲まれ理性を失う恐れもあるため、祓魔塾での授業の傍ら、炎を制御する訓練も行っている。また降魔剣は燐の心とも連動しているらしく、炎の制御がうまくいかないことで自信を失くしてからは、どんなに力を入れても剣が抜けない状態になってしまった。
しかし夏休みの林間合宿中、アマイモンの奇襲から仲間を守るため、仲間たちの前で炎を使ってしまい正体が露見。騎士團の懲戒尋問に連行されるが、半年後の祓魔師認定試験に合格することなどを条件に不問にされる。素性を知られた当初は、出雲と廉造以外の塾生全員に敬遠されていた。しかし後に不浄王討伐へ向かう際に全員と和解する。

奥村 雪男(おくむら ゆきお)
声 - 福山潤、藤村歩(幼少期)
燐の双子の弟(二卵性双生児)。15歳。燐と同じく12月27日生まれ[注 1]。血液型O型。身長180cm、体重70kg。両利き。
南十字男子修道院で育つ。真面目で物腰が柔らかく、冷静沈着といった燐とは正反対の性格の持ち主。普段は穏やかな口調で立場によって使い分けているが、キレると素の口調が出る。成績優秀な優等生であり、正十字学園特進科に首席で入学する。将来の夢は医者になること。
地味ながら整った顔をしているため、女子にモテる。体に黒子が多いことを気にしており、体中が黒子に覆われる悪夢を見るほど。作中では左目下に頬にかけて縦に並んで黒子が二つ、口元にも一つ特徴的に描かれている。視力がかなり悪いらしく、眼鏡のスペアをたくさん持っている。シュラからは小心者扱いをされており、「ビビリ」をもじった変な仇名で呼ばれることがある。また、しえみからは「雪ちゃん」と呼ばれている。
7歳から祓魔を学び、13歳にして史上最年少で祓魔師の称号を得た。現在は中一級祓魔師。取得称号は竜騎士・医工騎士であり、戦闘では二丁拳銃を駆使し戦う。メフィスト曰く「対・悪魔薬学の天才」で、祓魔塾で対悪魔薬学の講師を務めている。即ち、兄である燐は彼の教え子にあたる。手騎士の称号を持たないが、数多くの水精の召喚をやってのけた。
出生時に悪魔である燐から魔障を受けたため、物心つくころには悪魔が見えていた。その為、何も知らずに育った燐とは違い、幼少の頃に燐と自分がサタンの落胤であることを知らされ、獅郎から祓魔師になることを勧められた。 祓魔師になったのは悪魔たちから燐を守るためであり、今もその思いは変わらず養父の死後はより一層その決意を固くした。身体が弱く未熟児として生まれたためサタンの力を受け継いでいないらしく、一応検査などは受けているが、今のところ何も異常は無いという。しかし藤堂との戦闘の最中に目が変化し、視界が青くなるという異変が起きた。
シュラから「悪魔落ちしやすいタイプ」と指摘され、悪魔落ちした藤堂からは誘いを受けている。
大抵は、元来の性格や優等生かつ教師にして先輩である面から、燐に対して保護者のような態度でいることが多いが、その実、小さい頃は自分には出来ないことをやってみせる燐に憧れていたと語っており、今も心の奥で燐には敵わないと思っている。しかし同時に、そんな燐に対して悔しさを覚えていたと胸の内を明かし、弱い自己を否定した。

藤本 獅郎(ふじもと しろう)
声 - 藤原啓治
南十字男子修道院の神父で、燐と雪男の育ての親。享年51。5月10日生まれ。血液型AB型。身長177cm、体重62kg。
最強の称号「聖騎士」を持つ。正十字騎士團日本支部所属の上一級祓魔師であり、雪男の前任として祓魔塾で対悪魔薬学講師を務めていた。全称号を取得している。
世界中で唯一サタンの憑依に耐えうる可能性を持っていたため、常にサタンに身体を狙われていたが、それを強靭な精神で15年間防いできた。覚醒してしまった燐を虚無界の追手から守ろうとしたが、燐とのいさかいから心を乱し、サタンに体を乗っ取られてしまう。しかし燐が虚無界へ連れ去られるのを防ぐため、最期は自ら命を絶った。
燐の子供っぽさに通じる面があり、彼に多くの影響を与えた人物。

メフィスト・フェレス
声 - 神谷浩史
獅郎の友人で、正十字騎士團日本支部長。「名誉騎士」の称号を持つ祓魔師。正十字学園の理事長を務め、表向きにはヨハン・ファウスト5世と名乗っている。祓魔塾の塾長でもある。年齢不詳。身長195cm、体重74kg。
大抵はピエロを思わせる白い奇妙なスーツやマントを纏っているが、これは本人なりの正装らしい。スコティッシュ・テリア風の小型犬に変身することもできる。騎士團員には主に「フェレス卿」と呼ばれる。お茶目で遊び好きな性格であり、サブカルチャー全般が趣味のオタク。日本を好んでおり、「侘寂の心」「侍魂」「萌」を追及している。
口調は大抵はきちんと敬語を用いて謙遜した風の話し方をするが、アマイモンなどに対しては命令口調になる。また、ドイツ語が達者であり、「アインス・ツヴァイ・ドライ」という掛け声とともに術を使用する。
獅郎亡き後、祓魔師になると宣言した燐を受け入れ、正十字学園に入学させた。一方でネイガウスやアマイモンをけしかけるなど、不穏な動きも見せる。彼の目的は謎に包まれており、シュラは「何か盤上でゲームを楽しんでいるような風情」と気に入らない反応を見せている。公私混同はしない主義と自称しているが、面白い面白くないで物事を判断する節があり、その考える所は誰にも分からない。
その正体は虚無界を捨てた悪魔。200年にわたり騎士團に協力しているという。悪魔としての力は強大なようで、アマイモンとの争いで我を失って暴れる燐にすら余裕を持って対処していた。 燐のことを「我らの小さな末の弟」と呼んでおり、彼自身もサタンとの繋がりがあると思われる。またアマイモンのことを「弟」と呼んでおり、彼からも「兄上」と呼ばれている。物質界を「愉快な玩具箱」と呼んで常に楽しみを探している。

祓魔塾生
杜山 しえみ(もりやま しえみ)
声 - 花澤香菜
本作のヒロイン。15歳。3月6日生まれ。血液型B型。身長165cm、体重49kg。
雪男が贔屓にしている祓魔師用品店の娘。人見知りが激しく、世間知らずでおっとりとした性格だが、仲間との交流を経て芯の強さを発揮していく。出雲の嫌味も善意の励ましとして受け取ってしまうポジティブ思考の天然である。生まれてこの方着物しか着たことがなく、塾では出雲や朴に着方を教えてもらいながら制服を着用している。普段は着物を着ているため分かりにくいが、かなりプロポーションがいい。
祖母が大好きであり、祖母から聞いていた「天空の庭」に行くことを夢に見ている。自分のせいで祖母を失ってしまったと後悔する弱みに付け込まれ、庭の植物に取り憑いていた山魅に寄生され、魔障を受け当初は足が不自由だった。それから祖母の宝物であった庭により執着し、母と仲違いをしてしまったが、燐や雪男の尽力により開放され、歩けるようになった上、対立ばかりしていた母親とも和解することができた。
中学時代は体が弱く、学校もまともに通っていなかった。燐との出会いが一つのきっかけとなり、自分を鍛えるため正十字学園の祓魔塾に入ることになる(高校には通っていない)。周囲と違い、自身には明確な祓魔師の志望動機がないことに悩み、迷いも生じていたが、「人を助けたい」という思いから祓魔師になることを決意する。手騎士の素質を持ち、緑男(グリーンマン)の幼生を使い魔として使役している。
雪男とは彼が祓魔師になった当時からの知り合いで、彼に「雪ちゃん」という愛称をつけた。塾に入った理由は上記の理由に加え、雪男の先生姿見たさである。また、二人っきりになった際に赤面して焦ったりなど恋心を抱いているかの様な描写もある。
また、山魅の件から燐にはとても感謝しており、仲も良く、塾でも一緒にいることが多く、燐に対しても何らかの感情を抱いているようである。 また、彼のことをよく見ており、何かと悩んでいるのをなんとなく感じ取って心配していた。 燐がサタンの落胤であることを知った直後は混乱して怒鳴ったりしたが、後に「そんな大事なことを自分に相談してくれなかったのは、自分が頼りないからだ」と考え、自分を鍛えようと奮い立たせ、燐のことを受け入れた。
家が用品店ということもあり、植物や薬草の知識は豊富だが、独自に名付けた名称(例:アロエ→サンチョさんなど)で憶えているため、塾の筆記試験の点数は低い。そのため彼女の知識は実践の際に発揮される。祓魔塾に通うようになってから、正しい名称も勉強中であるとのこと。
料理下手であり、クロに作った料理は味・見た目共にクロが失神する程の腕前の持ち主である。ただし、「味に自信が無い」と自覚はある様子。

勝呂 竜士(すぐろ りゅうじ)
声 - 中井和哉高木礼子(幼少期)
長身でガタイの良い祓魔塾生の少年。15歳。8月20日生まれ。血液型B型。身長181cm、体重76kg。
京都の由緒あるの息子で、京都弁を話す。廉造と子猫丸には「坊(ぼん)」とよばれている。金のメッシュ入りの髪、耳に複数のピアス、鋭い目つきといった不良じみた外見とは裏腹に、成績優秀で真面目かつ努力家。雪男同様、奨学金を得て正十字学園へ入学し、両親の反対を押し切り祓魔塾へと入った。念仏は2回聞けば覚えてしまうほど記憶力が良く、塾での成績は優秀。志望称号は竜騎士・詠唱騎士。
明陀宗座主血統の家に生まれ、「青い夜」の生き残りである達磨を父親に持つ。青い夜以降、竜士の生まれ育った寺は「祟り寺」と呼ばれ衰退してしまった。そのため、サタンを倒し寺を再建することを志している。達磨の行動や態度に反感を持っていたが、全ての秘密が明らかになった後、達磨から使い魔・伽樓羅を受け継ぐ。
やる気の感じられない燐とは出会った当初から何度も衝突していたが、自身と同じ「サタンを倒す」という台詞を恥ずかしげもなく堂々と宣言する燐に救われ、心を開くようになる。言葉遣いが荒く、やや感情的で、燐とは同族嫌悪からか対立することも少なくないが、基本的には礼儀正しく、面倒見のよい兄貴肌。
祓魔塾生間のお互いの信頼関係がようやく成り立ってきたという所で、林間合宿において燐の正体を知るが、燐がサタンの落胤であることには大して恨み言を言わず、そのような大事なこと全部一人で背負いこんでいたことに対し怒りをぶつけ、和解した。

志摩 廉造(しま れんぞう)
声 - 遊佐浩二
祓魔塾生の少年。15歳[注 2]7月4日生まれ。血液型O型。身長176cm、体重63kg。
髪をピンクめいた茶髪に染めている(女の子はピンク色が好きという理由から)。明陀宗僧正血統である志摩家の五男坊で、男兄弟の末っ子。竜士を「坊」と呼び、京都弁を話す。子猫丸と同じく竜士の父親の弟子であり、彼らと共に行動することが多い。詠唱騎士志望だが経典はあまり覚えておらず、戦闘時はキリク(錫杖)を使う。
面倒臭いことが嫌いな飄々とした性格で、女の子が大好きな自他ともに認める助平である。その助平さから小学時代のあだ名は「エロ魔神」だったらしく、彼の中では黒歴史となっている。虫が絡むと途端に駄目になる。燐ほどではないが勉強は苦手。

三輪 子猫丸(みわ こねこまる)
声 - 梶裕貴
祓魔塾生の少年。15歳。1月7日生まれ。血液型A型。身長155cm、体重43kg。
竜士を「坊」と呼び、京都弁を話す。廉造と同じく竜士の父親の弟子であり、彼らと行動を共にすることが多い。小柄な体型と坊主頭、レンズの大きい眼鏡が特徴。心優しく温和な性格で、竜士のなだめ役に回ることが多い。猫好きで、マイ猫じゃらしを常に携帯している。詠唱騎士志望。
明陀宗僧正血統である三輪家の現当主。「青い夜」で身寄りを失っており、自身を引き取ってくれた勝呂の寺に対して恩義を感じている。「自分には何もない」と思っている彼にとって明陀は拠り所であり、明陀を脅かす存在を何よりも恐れている。燐がサタンの息子であると知ってからは彼を徹底的に遠ざけていたが、燐が死んでしまったら自分もきっと後悔するという結論に辿り着く。

神木 出雲(かみき いずも)
声 - 喜多村英梨
祓魔塾塾生の少女。15歳。10月11日生まれ。血液型A型。身長164cm、体重49kg。
平安時代の貴族のような眉(まろまゆ)が特徴。巫女の血統で手騎士の才能を持ち、一度に白狐を2体召喚することができる。祓魔師を志したのには何か目的があるようだが、詳細は明らかになっていない。
優等生で気が強く、いつも物事をハッキリと口にするが、他者を見下したような言動も目立つ。自身の人格や目的に関して一貫したプライドを持っており、自分では性格が悪いと公言しているが、根は善良かつ律義で、ツンデレの気がある。本人は隠そうとしているが可愛いもの好きのようで、普段の性格からだいぶかけ離れた趣味を持っている様子。
幼い頃から悪魔が見えていたことを隠さなかったために周囲から気味悪がられていたが、そんな彼女に唯一話しかけた朴が初めての友達となった。しかし精神面はやや弱く、朴の塾を辞めたいという発言を自分のせいだと思いこみ、心をかき乱された。しえみに対しては、「お友達になって欲しい」と言われても、自分の要求に反抗しないのをいい事に使いっ走りのように扱っていたが、朴の指摘や他の塾生達に助けられたことで改心し、表では色々と言いながらも内心は思いやりのある性格に変わった。

宝(たから)
声 - 代永翼井上剛(パペット)
祓魔塾生の少年。パペットを使い、腹話術で話す。塾生たちの輪には加わらず、まともに言葉も発しないため、詳しい素性は不明。林間合宿では、化燈籠を運ぶ実践訓練を真っ先にクリアしたことから、能力は高いようようである。

祓魔塾講師
霧隠 シュラ(きりがくれ シュラ)
声 - 佐藤利奈
上一級祓魔師の女性。正十字騎士團ヴァチカン本部の上級監察官。取得称号は騎士・手騎士・医工騎士・詠唱騎士。自称18歳だが実際は26歳。8月8日生まれ。血液型O型。身長169cm、体重は不明でありFカップの巨乳
与えられた任務などは真面目にこなすが、非常にマイペースな性格で、堅苦しいことが苦手。偶におどけた独特の口調で話す。酒豪で酒癖が悪く、授業を受け持っている最中に飲酒することすらある。一度お酒に付き合うとヒドイ目に逢うらしい。
上半身はビキニの上にジャケット、下はショートパンツという露出の多い服装で、胸元から臍周りにかけて刺青がある。「八俣遠呂」と彫られた胸元の刺青から魔剣を取り出し、剣術で戦う。
獅郎の死後、ヴァチカンから「日本支部が隠しているサタンにまつわるものの調査および排除」という命を受け、パーカーのフードを目深に被った男装と「山田(やまだ)」という偽名で素性を隠し、祓魔塾生として潜入調査をしていた。アマイモンと接触した後に正体を明かし燐を始末しようとするが、燐の強固な意志を知ったことで処分を保留とした。監視を継続しながら、燐への剣術指南のため祓魔塾教員の職に就く。
詳細は不明だが、幼少の頃に獅郎に助けられた過去を持つ。元は獅郎の弟子であり、雪男とはその頃からの付き合い。獅郎から、燐に剣を教えるよう頼まれていた。 現在は燐を弟子として、剣などの修行に手を貸している。

イゴール・ネイガウス
声 - 置鮎龍太郎
祓魔塾講師(魔法円・印章術担当)。上一級祓魔師。取得称号は手騎士・医工騎士・詠唱騎士。39歳。11月13日生まれ。血液型AB型。身長182cm、体重70kg。
左目に眼帯を着けた男性。屍系の悪魔を数多く従えており、両腕に魔法円の刺青を刻んでいる。得物は巨大なコンパス。「青い夜」の生き残りの一人であり、その際サタンに取り憑かれ、自身の左目と同時に家族をも失った。サタンを含む悪魔を憎悪している。メフィストの命で燐を襲うものの失敗に終わった。現在は講師を停職処分中。アニメではポーランド出身。

椿 薫(つばき かおり)
声 - 大黒和広
祓魔塾講師(体育・実技担当)。中級祓魔師の男性。女性から電話が掛かってきたのを理由に授業を中断するなど、意識が低い面も見られる。

藤堂 三郎太(とうどう さぶろうた)
元祓魔塾講師(魔法円・印章術担当)。日本支部最深部部長。上二級祓魔師。取得称号は手騎士・医工騎士・詠唱騎士。55歳。10月10日生まれ。血液型B型。身長170cm、体重71kg。
代々祓魔師を輩出する名家・藤堂家の出身。周囲の人間によって定められた人生に疑問を持ち、悪魔落ちする。最深部から「不浄王の左目」を盗み、蝮を口車に乗せて京都出張所の「右目」も盗ませ、2人で逃亡した。降魔堂で達磨と戦い、その最中に不浄王を復活させる。しかし彼の真の狙いは不浄王の復活ではなく、不浄王を封じていた伽樓羅であり、達磨の使い魔の伽樓羅を喰らい自らの身体に強制的に憑依させた。

湯ノ川(ゆのかわ)
声 - 西健亮
祓魔塾講師。天然パーマと思われる髪型とメガネ、無精ひげが特徴的な男性。医工騎士の称号を持っているようで、担当教科も魔障に関するものである。

足立(あだち)
声 - 小山武宏
祓魔塾講師(悪魔歴史学担当)。メガネを掛けた禿頭の老年男性。

佐藤(さとう)
声 - 武田幸史
祓魔塾講師。「情報管理部」所属。目の細い男性。

正十字騎士團
アーサー・オーギュスト・エンジェル
声 - 小野大輔
現聖騎士。ヴァチカン本部勤務の上一級祓魔師。シュラの上司。
聖人のような顔だが、悪魔に対してはまったく容赦はない。戦闘では魔剣「カリバーン」(声 - 東山奈央)を振るう。
三賢者グリゴリ
声 - 甲斐田裕子(カスパール)、保村真(バルタザール)、丸山詠二(メルキオール)
正十字騎士團最高顧問。顔を隠した3人の人物。女性の声をしたカスパール、男性の声をしたバルタザール、老人の声をしたメルキオールの3人[注 6]
ティモテ・ティモワン
声 - 中博史
騎士團法執行部長。メフィストの懲戒尋問で尋問官を務めた。
ブルギニョン
声 - 飯島肇
アーサーの部下の祓魔師。スキンヘッドで眼鏡を掛けている。
ユリ・エギン
声 - 林原めぐみ
燐と雪男の母親とされる女性。下二級祓魔師。三賢者が名を口にしたのみで、詳細は不明。

明陀宗 

勝呂 達磨(すぐろ たつま)
声 - 稲垣隆史
明陀宗頭首。17代目座主であり、大僧正。竜士の父。騎士團には所属しておらず、祓魔師の称号も持っていない。当主らしかぬ行動と放蕩ぶりに不信感を抱く者も多く、陰で生臭坊主と呼ばれている。獅郎からは「救いようのないお人好し」と言われている。
「青い夜」の日、明陀宗座主が代々使役する使い魔・伽樓羅と、不浄王にまつわる秘密を父から受け継ぐ。それらを自分の代で断ち、絶対に次の世代には継がせないと誓っており、周りからずっと遠ざけていた。
藤堂の暗躍により自身も密かに行動を起こし、降魔堂にて戦うが、不浄王復活を許してしまい、自身も重傷を負わされる。その後駆けつけた竜士に、不本意ながら伽樓羅を託す。
勝呂 虎子(すぐろ とらこ)
竜士の母。虎屋旅館の女将として、立ち行かなくなった寺の経営を陰から支えてきた。
志摩 八百造(しま やおぞう)
京都出張所所長。上一級仏教系祓魔師。取得称号は騎士・詠唱騎士。僧位は僧正。廉造ら五男二女の父。53歳。8月10日生まれ。血液型A型。身長177cm、体重62kg。
不浄王の右目を守ろうとして、魔障を受けている。硬派で実直な性格。妻には頭が上がらないらしい。
志摩 柔造(しま じゅうぞう)
京都出張所祓魔一番隊隊長。上二級仏教系祓魔師。取得称号は騎士・詠唱騎士。25歳。2月5日生まれ。血液型O型。身長178cm、体重70kg。
八百造の次男で、長男が死亡したため志摩家の跡継ぎとなった。短気だが熱血な性格。子供が大好きで面倒見が良い。女性からはよくモテるようである。
髪型以外は弟である廉造と酷似している。宝生家と犬猿の仲で、その中でも同じ祓魔塾に通っていた幼馴染の蝮とは極めて仲が悪い。しかし誰よりも寺の事を想う蝮を認めており、蝮が不浄王の右目を盗んだ際は誰よりも動揺し引きとめようとていた。
志摩 金造(しま きんぞう)
八百造の四男。京都出張所警邏二番隊隊員。中二級仏教系祓魔師。取得称号は騎士・詠唱騎士。20歳。11月17日生まれ。血液型O型。身長175cm、体重60kg。
金髪が特徴。髪型以外は兄柔造同様廉造と酷似している。髪の毛が若干長めで、両サイドの髪(耳の上あたり)にヘアピンをつけている。祓魔師である一方で、バンドのボーカルも努めている。喧嘩っ早く、廉造とは正反対のかなり気性の荒い人物。柔造曰く「ドアホ」であり、竜士に言わせてみれば頭の出来は廉造とおっつかっつの馬鹿らしい。
宝生 蟒(ほうじょう うわばみ)
京都出張所深部部長。上一級仏教系祓魔師。僧位は僧正。
宝生 蝮(ほうじょう まむし)
蟒の長女。京都出張所深部一番隊隊長。中一級仏教系祓魔師。取得称号は手騎士・詠唱騎士。24歳。6月4日生まれ。血液型A型。身長164cm、体重48kg。
志摩家と犬猿の仲で、その中でも同じ祓魔塾に通っていた幼馴染の柔造とは極めて仲が悪い。蛇(ナーガ)が大好きだが、そのせいで友達が出来にくいのが悩みらしい。
明陀宗が正十字騎士團に吸収されて以来、達磨の行動に疑問を抱いており、「不浄王の目」の存在を知ってからは、メフィストや明陀の秘密について独自に調査をしていた。結果、明陀を守るため騎士團に所属すると決断した達磨や八百造、自分の父親までをも「明陀を正十字に売った裏切り者」と歪んだ方向に結論づけた。祓魔塾時代の師だった藤堂にそこをつけ込まれてしまい、不浄王の右目を「もっと安全な場所に封印する」という理由で盗み出してしまう。藤堂と共に降魔堂に逃亡したが、不必要と判断され始末されかけ、駆けつけた達磨によって免れた。
宝生 錦(ほうじょう にしき)、宝生 青(ほうじょう あお)
蟒の娘で、蝮の妹たち。京都出張所の深部を守る職務に就いている。姉同様、志摩家とは犬猿の仲で、外見も酷似している。

その他の人物 

朴 朔子(ぱく のりこ)
声 - 高梁碧
出雲の唯一の友人にして、彼女の最大の理解者。16歳。5月21日生まれ。血液型B型。身長159cm、体重47kg。
おおらかで優しい性格の持ち主。本人は元々悪魔についての知識がなく、出雲に連れられ祓魔塾に入るも、周囲についていけず途中で塾を辞める。現在は高校のみ通いながら出雲やしえみと交流している。夏休みには実家に帰った。
白鳥 零二(しらとり れいじ)
声 - 伊藤健太郎
鳩の足を切って遊んでいた不良グループのリーダー。燐が面接に行く途中、悪魔に憑依された姿で現れ彼を襲うが、獅郎に倒された。
アニメでは腐の王アスタロトに憑依され、獅郎に一度祓われた後再度憑依され、大型トラックで修道院を襲撃するが、獅郎に祓われた。

悪魔 
サタン(青焔魔、魔神)
声 - 藤原啓治
虚無界に住む悪魔の創造主。燐の実の父親。物質界を手に入れることを目的とし、たびたび物質界に来ては人間に取り憑いている。しかし物質界にはサタンの憑依に対応しうる物質が存在しないため、一度取り憑かれると人間は体が持たず、すぐに崩壊してしまう。
悪魔でありながら物質界に存在できる燐を求め、唯一自分の憑依に耐え得る獅郎に取り憑き「虚無界の門」で燐を虚無界へと連れ去ろうとする。正気を取り戻した獅郎が自決を図ったため、すぐさま獅郎の身体から離れ、虚無界へと去った。
アマイモン(甘毳)
声 - 柿原徹也
八候王の一人。「地の王」の名を冠する悪魔。大地にまつわる悪魔たちを統べる首領で、地震を発生させる能力を持つ。呼称は時代や国、信仰によって千差万別にあり、神として崇められる地域も存在する。メフィストを「兄上」と呼ぶ弟であり、彼と同じくサタンの息子の一人と思われる。
現在は人間の男性に憑依している。真意の見えない言動と無表情が特徴的であり、サタンの息子である燐に興味を持っている。鬼(ゴブリン)のベヒモス(声 - 西健亮)をペットとして連れている。メフィストから無限の鍵を預かり、虚無界と物質界を行き来している。
不浄王(ふじょうおう)
約150年前、江戸時代の日本に現れた上級悪魔。「腐の王」アスタロトの眷属。熱病や疫病を蔓延させ、4万人以上の犠牲者を出したという。明陀宗では「明陀の祖・不角が降魔剣・倶利伽羅で降伏し、その際にこの世に残った右目を明陀が代々封印している」とされてきた。
不浄王の目は実際には「右目」と「左目」の2つあり、このことは明陀宗の中でも僧正位以上にのみ伝わる秘密であった。左目は正十字騎士團日本支部最深部に、右目は京都出張所深部に封印されていた。目だけでも強力な瘴気を発し、非常に危険。伝説では、右目と左目が揃う時より強毒な新型の瘴気を生み出すという。
真実は座主のみが知る秘密であった。安政5年、不角は伽樓羅の憑依した魔剣・倶利伽羅と契約し不浄王と戦ったが、急所の心臓を2つに分け封印することで仮死状態にするに留まった。以来、不角の子孫である代々の座主は、この秘密を代価に伽樓羅を使い魔として使役し、仮死状態の不浄王を降魔堂の地下に炎で封じてきたが、両目を手にした藤堂によって復活した。
使い魔 [編集]
クロ
声 - 高垣彩陽
獅郎の使い魔だった猫又(ケット・シー)。正十字学園南裏門の元門番。好物は獅郎特製のまたたび酒とすき焼き。一人称は「おれ」。121歳。
元はある地方の養蚕の守り神であったが、時代と共に養蚕が廃れ、その祠が取り壊されようとしたため、怒り狂っていた。そこを獅郎がなだめ、その後彼と使い魔としての契約を結び門番となり、彼にとても懐いていた。しかし獅郎の死後、門の警備員達の会話から獅郎の死を聞き、それを受け入れられず暴走する。燐の説得で獅郎の死を受け入れた後は門番の任を解かれ、書類上は燐の使い魔として共に生活するようになった。普段は普通の猫の大きさだが、巨大化し、背中に人を乗せる事ができる。
ニーちゃん
声 - 東山奈央
しえみの使い魔。緑男(グリーンマン)の幼生。
手に乗るほど小さく、頭に葉の帽子を被っている。身体からあらゆる植物を出すことができ、それによって治療や支援行動を行う。
ミケ&ウケ[注 6]
声 - 井上剛(ミケ)、西健亮(ウケ)
出雲の使い魔。二体の白狐。首の巻き布にはそれぞれ「御饌津」「保食」と書かれている。
召喚時の呼び掛けは「稲荷神に恐み恐み白す 為す所の願いとして成就せずということなし」。片方だけを呼び出したこともあり、その時に唱えた言葉は「保食神よ 成出給え」。
伽樓羅(カルラ)
赤い炎を纏う、火属性の鳥の悪魔。朱雀(スザク)、不死鳥(フェニックス)とも呼ばれる。契約者の「秘密」を代価として、明陀宗座主が代々使役していた。
烏枢沙摩(ウチシュマー)
火属性の上級悪魔。火天(アグニ)。明陀宗の僧正に仕えている。

用語

物質界(アッシャー)・虚無界(ゲヘナ
作中の世界は、2つの次元が合わせ鏡のように存在している。物質界は人間が住む世界で、基本的には現実世界と同じ。虚無界は悪魔が棲む世界。本来はお互い干渉することはできないが、悪魔たちは物質界に存在する物質に憑依することで干渉してくる。

魔障(ましょう)
悪魔から受ける傷や病のこと。これを一度でも受けると、悪魔が見えるようになる。したがって、祓魔師になるためには必ず魔障を受ける必要がある。

青い夜(あおいよる)
16年前、サタンが世界中の有力な聖職者(祓魔師)たちを大量虐殺した事件。事件の名は、犠牲者たちが青い炎を発しながら流血し亡くなったことに由来する。明陀宗では、当時の座主である竜士の祖父や、志摩家の長兄、子猫丸の父など大量の僧侶が犠牲となった。

天空の庭(アマハラのにわ)
祖母が、幼い頃のしえみによく聞かせていた地名。話によれば、「世界中の全ての草花がそこに集まっている」場所らしい。架空のお話に過ぎないものと思われるが、しえみはその存在を信じており、また最終的な目的地としている様子。死んだ祖母のことを「先に天空の庭に行ったんだわ」と形容するなど、一種の天国のような捉え方をしている風でもある。


祓魔師

祓魔師(エクソシスト/ふつまし)
悪魔に対抗する技術を持ち、「悪魔払いエクソシズム)」を行う者たち。地域や宗派によって様式は異なる。戦闘は基本的にパーティを組んで行う。
正十字騎士團においては、「称号(マイスター)」を取得することで祓魔師として認定される。階級は上から上一級・上二級・中一級・中二級・下一級・下二級。上一級のさらに上の名誉称号として「名誉騎士(キャンサー)」、「四大騎士(アークナイト)」、ただ一人にのみ与えられる最強の称号「聖騎士パラディン)」がある。
祓魔師を志望する者は、まず「祓魔塾生ペイジ)」として祓魔の基礎を学ぶ。その後、認定試験に合格すると「候補生エクスワイア[注 7])」となり、より専門的な実践訓練を受ける。
称号(マイスター)
祓魔師に必要な技術の資格。5つ存在し、1つでも得られれば祓魔師として認定される。取得した称号によって戦い方は異なる。称号は以下の通り。
  • 騎士(ナイト) - 刀剣で戦う。シュラやアーサーのように魔剣を扱う者もいる。明陀宗の騎士は刀剣ではなく錫杖を得物としている。
  • 竜騎士(ドラグーン) - 銃火器で戦う。拳銃・機関銃・火炎放射器など様々な武器を扱う。聖水を併用することも多い。
  • 手騎士(テイマー) - 使い魔を使役して戦う。魔法円・魔法陣と己の血により悪魔を召喚し、操る。天性の才能が必要とされ、絶対数は少ない。悪魔は弱い者には従わず、自信をなくした者には襲いかかることもあるため、精神力が必要となる。
  • 詠唱騎士(アリア) - 聖書経典を唱えて戦う。大抵の悪魔に存在する「致死節(ちしせつ)」という死に至る言葉や文節を掌握し、詠唱する。詠唱中は無防備になるため、他の祓魔師の援護が必要。
  • 医工騎士(ドクター) - 医療を担う。通常の医術に加え、魔障に対する専門的知識を持つ。直接戦闘には加わらないが、魔障の危険度は通常の怪我や病気とは比べものにならないため、重要な役割を持つ。
正十字学園(せいじゅうじがくえん)
東京・正十字学園町にある、あらゆる学業施設が集約された名門私立校。燐や雪男たちは高等部に通っている。全寮制。理事長・メフィストの力によって、中級以上の悪魔の出入りを防ぐ結界が張られている。地下には正十字騎士團日本支部の基地が所在する。
祓魔塾(ふつまじゅく)
正十字学園内に設けられた祓魔師養成機関。燐ら7人の祓魔塾生は、夏休み前の抜き打ち試験を経て全員候補生に昇格している。燐たちは1年生で、現在のところ2年生以上のクラスや生徒は登場していない。
授業科目は悪魔薬学、悪魔学グリモア学、魔法円・印章術、聖書・教典暗唱術、悪魔歴史学、体育・実技、剣術など。
正十字騎士團(せいじゅうじきしだん)
あらゆる宗教の祓魔師が集まる世界組織。本部はヴァチカンにあり、サン・ピエルパオロ大聖堂の地下に所在。二千年以上の歴史を持つという。
京都出張所
京都市にある正十字騎士團日本支部の出張所。構成員の多くは明陀宗の者である。
明陀宗(みょうだしゅう)
正式名称は「明王陀羅尼(みょうおうだらにしゅう)」。仏教系宗派の中でも特殊で、魔を祓うことに特化した祓魔師集団。「青い夜」で大量の僧侶が死亡したことから「祟り寺」と恐れられるようになり、信徒の減少・財政難で存続の危機に陥ったことから、10年前より正十字騎士團に所属することとなった。
不角が開祖であり、降魔剣「倶利伽羅」を本尊とする。総本山は洛北の金剛深山にある不動峯寺。世襲制の組織体制をとっており、不角の子孫である勝呂家が座主血統、志摩家・宝生家・三輪家などが僧正血統。不角は伽樓羅の憑依した魔剣・倶利伽羅で不浄王を鎮めたが、2つの目(不浄王の心臓)がこの世に残ったため、これを封印するのを使命としてきた。

悪魔
虚無界の住人達。物質界においては、生物・無生物問わず様々な物質に憑依して活動する。憑依対象としては、自分と似た性質のものに惹かれる。性質は基本的に邪悪であるが、人間と共存したり、契約によって人間に益をもたらす者もいる。人間が悪魔への対抗策を得てきたのも悪魔から学ぶことによってであり、作中世界における「魔法」は悪魔の力によるものである。強さによる階級が存在し、特定の「王」に属する性質を持つものが多い。
八候王(バール
詳細は不明だが、「地の王」アマイモンがその一人であることから、「腐の王」アスタロト、「水の王」エギュン、「氣の王」アザゼル、「蟲の王」ベルゼブブ、「火の王」イブリース及び他2名の悪魔の総称と思われる。
虚無界の門(ゲヘナゲート)
虚無界へと繋がる門。門そのものが悪魔であり、サタンだけが召喚できる。媒質となる血の質と量によって、門の大きさや外観・能力が変化する。
ゴブリン
「地の王」アマイモンの眷属。鼠や土竜などの小動物に憑依する悪魔。いたずら程度の魔力を持つ。動物の腐った血の臭いを嗅ぐと興奮し、狂暴化する。また牛乳が好物らしい。サイズは個体によって様々で、手の平サイズの者から人間を超えるほど巨大な者もいる。女王や王を中心としたコロニーを築いている場合が多い。土地や地域によって何百と種族が存在し、小鬼ホブゴブリン)もその一種。
山魅(デックアルプ)
「地の王」アマイモンの眷属。草木に憑依する悪魔。基本的に力は弱いが、稀に人の心に取り入り凶悪化する例もある。
魍魎コールタール
「腐の王」アスタロトの眷属。菌類に憑依する悪魔で、悪魔の中では最下級に位置する。暗闇と湿気のある場所、根暗な人間に群がる性質があり、大量に群れると質が悪いらしい。
蝦蟇(リーパー)
「水の王」エギュンの眷属。蛙に憑依する悪魔。基本的には大人しいが、心に弱みを持つ者には容赦なく襲いかかる。
白狐(ビャッコ)
神使として狐に憑依する悪魔。本来は食物や農耕の守り神。
土塊(ゴーレム
「地の王」アマイモンの眷属。泥人形に憑依する悪魔。
緑男(グリーンマン)
土塊に植物が生えた状態の悪魔。体内から植物を生成できる能力を持つ。基本的に大人しい悪魔で、能力によっては中級悪魔でもある。
雪男(スノーマン)
土塊に雪が付着した状態の悪魔。
囀石バリヨン
「地の王」アマイモンの眷属。石や岩に憑依する悪魔。奇声を上げる以外、基本的に動かない。持ち上げたりすると重くなる。古く強力なものだと人の背中に跳ねて飛び乗り、重くのしかかる個体もある。
屍(グール
「腐の王」アスタロトの眷属。人や動物の死体に憑依する悪魔。土葬を行う国や地域に見られ、現在の日本で目にすることは稀である。その国々の習慣や信仰の違いなどで祓い方が異なる。屍人ゾンビ)とは別の悪魔。
(ゴースト)
「氣の王」アザゼルの眷属。死体から気化した物質に憑依する悪魔。その人物の生前の感情を残すものが多い。屍同様、祓い方は死体の信仰や状況によって異なる。
猫又ケット・シー
猫に憑依する悪魔。日本のものは尾が二又に分かれている。
屍番犬(ナベリウス
「腐の王」アスタロトの眷属。屍を繋ぎあわせ、対・悪魔戦闘用に人工的に造り出された悪魔。現在では新たに造り出すことは倫理的にも禁忌とされており、その技術も固く封印されている。
個体により形状は様々であるが、総じて死体を繋ぎ合わせたようなグロテスクな見た目をしている。彼らの体液・また魔障は、生物の皮膚を短時間で壊死させる強烈な作用を持ち、すぐに手当てをしなければ命にかかわる程である。非常に凶暴だが、ある程度の知性はある模様。暗闇を好み、暗い場所では活発化する。
虫豸(チューチ)
「蟲の王」ベルゼブブの眷属。小さな虫に憑依する悪魔。集団で血を吸ったり、死体の肉を食らう。
化燈籠(ペグランタン)
「火の王」イブリースの眷属。照明器具に憑依する悪魔。火が灯ると動き、その火が消えるか夜が明けると動かなくなる。また、生物を食して燃料にしており、特に女性が好物。
蛇(ナーガ
「地の王」アマイモンの眷属。蛇に憑依する悪魔。明蛇宗が操る。
幽霊列車(ファントムトレイン)
列車に憑依する悪魔。人気のない駅のホームで電車を待っていると、どこからともなく現れて魂を奪い走り去り、そのまま虚無界へと連れ去ってしまう。
火蜥蜴(サラマンダー
「火の王」イブリースの眷属。不浄王討伐の際に召喚された。

道具
魔剣(まけん)
悪魔が憑依した剣。燐の「倶利伽羅」、アーサーの「カリバーン」、シュラの持つ剣など。使い魔の場合と同様、契約が必要となる。
降魔剣(こうまけん)
倶利伽羅(クリカラ)の別名を持つ、古から伝わる魔剣。明陀宗の本尊だった。藤堂によれば、明陀の祖・不角は火の悪魔・伽樓羅の憑依したこの魔剣と契約し不浄王と戦ったが、不浄王を鎮めた際に伽樓羅は剣から去ったという。燐と雪男が生まれる少し前、不動峯寺に現れた獅郎が達磨から手に入れた。
この剣には、メフィストによって燐の炎が移植され、鞘によって封印されている。メフィスト曰く「炎の源である悪魔の心臓」を封印したという。アマイモンによれば、刃の部分が虚無界につながる小さな入口で、鞘がその扉の役割を果たしている。刀を抜けば燐は悪魔の状態となり、再び鞘に戻せば尻尾や牙が残るものの人間に戻る。獅郎亡き後は燐が肌身離さず持ち歩いており、戦闘時に武器として用いている。ただし刀を抜けば、青い炎が抑えられなくなる。
鍵(かぎ)
正十字学園内では様々な鍵を必要とする。その鍵はいずれも貴重なものである。如何なる物も如何なる場所に隠すことができる特殊な鍵「神隠しの鍵」や、目的地へとすぐさま繋がる鍵など、その種類・用途は様々である。また、祓魔師の称号を持つ者のみが所持できる鍵もある。
錫杖(キリク)
明陀宗の祓魔師が使用している棒状の武器。普通の棒術のように使うときもあれば、使い魔の加護を受け、特殊な力を宿す時もある。特に志摩家がよく手にしている。廉造は分解して制服の下の専用ホルダーにいれ、常に持ち歩いている。